万世大路探索の続きです。
二ツ小屋隧道を過ぎたあたりから、雑草が増えてきました。
また靴の中まで濡れる可能性大です。
5分ほどで鳥川橋に到着。
昭和9年竣工のこの橋も草木に侵食されようとしています。
鉄筋がむき出しになった欄干。
鳥川橋を出発してすぐに目の前にこんな光景が。道がなくなっています。
左手にヘアピンをショートカットする形で道ができていたので、そちらに進みます。
スタート地点から1時間半、ようやく大平集落跡に到着しました。
痕跡は全くありませんが、ここには集落があったそうです。
以前はここまでが四輪で来れる限界だったようです。
この先には道幅が30センチ程度しか残っていない一本橋状態の場所があるからです。
車が入ってこないのでここからヤブがひどくなってきます。
一本橋も徒歩なので難なく通過、というか雑草でよくわからず。
10分ほどで大平橋に到着しました。
この大平橋からが地獄でした。行く手を阻むヤブが半端じゃ無いです。
甘く見ていました。比較的マシなところで動画を撮ったので見て下さい。
照りつける太陽、まとわりつく虫、背丈ほどのヤブや足元のぬかるみと闘いながら、ボロボロの状態で杭甲橋に到着。
橋の先は例のごとくジャングルになっていますが、もうやけになっているのでカメラと飲み物以外の荷物を置いて突撃します。
ここからはヘアピンが続きます。目指す栗子隧道までもう一息。
杭甲橋を出発して15分、ついに見えました!
約2時間半、長かった。疲れが吹き飛ぶ瞬間です。
山形側と比べると比較的きれいな福島側の坑口。
冠水していて中には入れませんでした。
扁額には昭和十年三月竣工と刻まれています。
別の角度から。意匠はシンプルですがものすごい存在感です。
帰りもまた同じ道を通るのですが、栗子隧道を見ることが出来た満足感と、一度通っているという安心感でスイスイ(ではないけれど)戻ってきました。
帰りに二ツ小屋隧道でライトを点けようとしたら電池が切れていました。ずっと点けっぱなしだったようです。
二ツ小屋隧道の入口にペットボトルが落ちていました。飲み物が一本なくなっていると思ったらここで落としていたようです。すでにぬるくなっていました。
林道のところまで来て国道を走る車の音が聞こえてきた時は本当にホッとしました。
全行程4時間半かかりましたが、熊に遭遇することもなく無事にスタート地点まで戻ってきました。
道のりは厳しかったけれども万世大路はロマンあふれる旧道でした。
しかし、夏に訪れることはもうないでしょう。