2013/11/27

栃木県宇都宮市の近代建築 (その2)

宇都宮市の近代建築の続きです。

栃木県庁昭和館 (昭和13年)
この建物は4代目の栃木県庁舎の正面部分を移築保存したものです。

階段踊り場のステンドグラス。 
手すり飾りは戦時中の供出でなくなっていたものを、当時の図面を参考に復元したそうです。

壁面には装飾のついたタイルが貼られています。


「正庁」と呼ばれる一番豪華な造りだった部屋。
天井はアーチ状になっていて、凝ったレリーフが施されています。


宇都宮大学 峰ヶ丘講堂 (大正13年)
宇都宮農林高等学校の講堂として建てられたもの。

宇都宮大学 旧図書館


宇都宮中央女子高等学校 赤レンガ倉庫 (明治末期) ※国登録有形文化財
陸軍第十四師団 第六十六歩兵連隊の倉庫だった建物。
女子校の中には入りづらかったので、外からこっそり撮りました。

宇都宮白楊高等学校 旧講堂 (明治36年) ※国登録有形文化財
こちらは堂々と(?)中に入って撮りました。



大谷地区の近代建築。

旧大谷公会堂 (大正末期) ※国登録有形文化財

(株)屏風岩石材・石蔵 (東蔵:明治45年 西蔵:明治41年)


近くには大谷資料館があって大谷石の採掘場跡を見学することができます。
石で囲まれた巨大地下空間は一見の価値ありです。

2013/11/20

栃木県宇都宮市の近代建築 (その1)

栃木県宇都宮市の近代建築を紹介します。

まずは、先日訪れた「カトリック松が峰教会」です。
昭和7年に建てられたロマネスク様式の教会で、国登録有形文化財に指定されています。

ここには今までにも3回来ているのですが(カメラを買い換えるたびに来ている)、夜に来るのは初めてでした。 綺麗にライトアップされています。

ここは正面にスペースがないのでいつも撮影に苦労します。 

この建物に使われている石材は大谷石といって、市内の大谷地区で採掘されているものです。 フランク・ロイド・ライト設計の帝国ホテルに使われてから知られるようになりました。

設計はスイス人建築家のマックス・ヒンデルが担当しました。

礼拝堂の内部。 柱と半円アーチが並びます。
昭和20年の空襲で礼拝堂は消失しましたが、昭和22年に復元されました。

近くのホテルで一泊して、翌朝また来ました(何回来るんだよ)。


これ以降の写真は新旧混ざっています。

日本聖公会宇都宮聖ヨハネ教会 (昭和8年)
こちらも大谷石を使った教会で、国登録有形文化財に指定されています。

宇都宮高等学校 旧本館 (明治26年)  国登録有形文化財
旧栃木県尋常中学校本館として建てられ、現在は「滝の原会館」の名で展示館として利用されています。

旧宇都宮商工会議所 玄関 (昭和3年)
昭和54年に解体されたものを、玄関部分だけ栃木県中央公園内に復元保存しています。

その2に続く。




2013/11/09

丸沼堰堤 ~ 群馬県利根郡片品村

丸沼堰堤は昭和6年に完成した発電用のダムです。

このダムは日本に6基しか残っていないバットレスダムで、「土木学会選奨土木遺産」、「国指定重要文化財」に指定されています。


ダムの天端に来ましたが柵があって中に入ることはできません。

上流側の丸沼。
このダムは立地も珍しく、下流側も湖になっていて2つの湖に挟まれるような形になっています。

全景を見たいので堰堤の下まで来てみました。
目の前は湖なので真正面からは写真は撮れません。

すると、目の前に筏が!(知ってました)
このドラム缶筏は付近を散策する人達のために「丸沼を愛する会」が設置しているものですが、これを利用させてもらいます。

筏はなかなかしっかり出来ていて、安定感がありました。ちなみに「トムソーヤ号」という素敵な名前がついています。

というわけで念願の真正面からの写真です。
この格子状の外観がバットレスダムの特徴です。 この格子で止水壁を支える構造です。

対岸まで渡って真下から撮ってみました。長い年月の間に幾度か補修されていますが、外観を変えないように配慮されているそうです。

バットレスダムはまだセメントが高価だった時代にコストを削減するために採用されましたが、メンテナンスに手間がかかるのと地震に弱いなどの理由でわずか14年間しか建設されませんでした。

丸沼堰堤はバットレスダムの中でも日本一の堤高があり、当時の姿をとどめている貴重なダムです。


間近で見たバットレスダムはかなり魅力的でした。
見に行って良かった!

これは残り5ヶ所も・・・。








2013/11/07

群馬県みなかみ町の近代化遺産 (その2)

一ノ倉沢まではロープウェイ乗り場からバスが出ているので、それに乗ろうと思っていたのですが、次の次の便まで満員で「歩いたほうが早いよ」と言われたので、徒歩で向かうことにしました。

片道3km、のんびり歩いて1時間くらいだそうです。
通り過ぎるバスを横目で見ながら登っていきます。

 ピークは過ぎているようでしたが、まだまだ紅葉も楽しめました。

 しばらく歩いているとお目当ての石垣を発見。
でも舗装されている道路だと雰囲気が出ないので、ここはぜひとも一ノ倉沢の先で石垣の写真を撮りたい!

一ノ倉沢に到着しました。 ハイキングを楽しむ人達でにぎわっていました。

駐車場にあるプレートと案内板。

ここから先は舗装されていません。なかなかいい雰囲気の写真が撮れそうです。
石垣はまだでしょうか。


ところが・・・。 途中に「新道⇒」と書いてある案内板があったのでそっちに進むと、そこは本格的な登山道。トレッキンッグシューズは履いていたものの、軽装の自分(バスに乗るつもりでいたから)にはきびしい道のりでした。


だいぶ進んだところで間違いに気づいたのですが、もう引き返す気力もなく、そのまま登山道を進んで戻ってきました。

まあ、いちおう石垣は見ることができたので良しとします。

2013/11/06

群馬県みなかみ町の近代化遺産 (その1)

紅葉のシーズンなので山の方に探索に出かけようと、群馬県に行ってきました。

まずは、水上の温泉街に架かっている「水上橋」に来ました。

橋の上から撮影。 下を流れるのは利根川です。

昭和11年に造られた水上橋は、鉄筋コンクリート製の開腹アーチで、中央には行き違い場所が設けられています。
ちなみに欄干の手すりとグリルの飾りは以前は無く、最近付けられたものです。

温泉街を後にしてさらに北に向かいます。

「日本一のモグラ駅」として有名なJR上越線の土合駅の少し先に、昭和6年に造られた「清水トンネル」があります。 小説『雪国』のあのトンネルです。

長さ9702.3メートルあり、戦前最長の鉄道トンネルで、西洋の古城のような重厚なデザインです。

さらに国道を300メートルほど進むと、「土合砂防堰堤」が姿を見せます。
昭和16年に造られたアーチ式の砂防ダムです。

堰堤の上に登ってみました。
上流側は長年の土砂で出来た河原が広がっています。

裏側から見たところ。 水が青い!

ここから先の国道291号線は「清水峠越新道」といって、明治18年に完成した街道で、今も当時の石垣が残っているそうなのでそこを目指すことにしました。
一ノ倉沢に「土木学会推奨土木遺産」の認定プレートがあるというのですが、そこまでの道は一般車両は通行止めになっているので、谷川岳ロープウェイの駐車場にバイクを停めることにしました。
その2に続く。