2014/10/05

第3回 東京拘置所 矯正展 ~ 東京都葛飾区

去年に引き続き、今年も東京拘置所の矯正展に行ってきました。

オープニングセレモニーで元AKBの篠田麻里子さまを見た後に、真っ先に向かったのが去年買えなかった「プリズン弁当」のブース。 名前は「拘置所レシピのお弁当」になっていました。
麦めしにおかずが付いて税込350円です。 やはり人気らしく、すでに人だかりができていました。
こちらがとんかつ弁当。 ロースカツにミートスパゲティーと昆布の煮物。
 こちらが牛のトマト煮弁当。 牛のトマト煮に焼ビーフンとレンコン高菜きんぴら。
  正直に言うと、特別美味しいというわけではありませんでした。 値段相応?
他にも拘置所レシピシリーズでカレーやパンもあったらしいのですが、そんなに食べきれないのでパスしました。

お腹がいっぱいになったところで、今年も旧庁舎にやって来ました。
テントがあって去年より写真が取りづらそう。
去年より旧庁舎の写真を撮っている人も多いように感じました。 近代建築ブームが来てる?


正面玄関周り。

相変わらずかっこいい鉄格子。

開かずの門。

建物の周りを歩いていると、モニュメントがありました。 去年はなかったような・・・。
おそらく東京集治監時代か小菅刑務所時代かの廃材で作ったものだと思われます。
 番号が刻まれているところをみると、房舎で使われていたキーストーン?

今日は晴れの予報だったのに、時間が経つにつれ雲が多くなってきてしまいました。
自分では晴れ男だと思っていたのに、最近天気に恵まれないなぁ。


この日は途中で抜け出して、北千住の近代建築を見に行ったり、近くの公園で弁当を食べたりしながらも、結局最後までいてしまいました。

来年はスキっと晴れますように! (もう行くつもりでいる)

2014/10/03

駒沢給水所 ~ 東京都世田谷区

10月1日の都民の日、「駒沢給水塔風景資産保存会(コマQ)」さんが主催する駒沢給水所の見学会に参加してきました。

今までは外から眺めるだけでしたが、今日は堂々と中には入れます。
平日の小雨がぱらつく天気にも関わらず、1回目(13時~)の見学だけでも100人以上の参加者がいました。

配水塔とポンプ室は2012年に「土木学会推奨土木遺産」に認定されています。

3つの班に分かれて出発です。 各班にはガイドさんがいて解説をしてくれます。

最初に着いたのが、昭和2年に建てられた「水道布設記念碑」。
池の中央の噴水台にはもともと鉄製のペンギン像が立っていたらしいのですが、今は石造りの亀が乗っています。

塔の下部には当時の澁谷町長が記した碑文が刻まれています。
後ろに見えるのが大正12年11月竣工の1号塔です。

1号塔の外壁には「清冽如鑑」の銘文が埋め込まれています。

塔の下に目をやると、「澁谷甼(渋谷町) 阻水弇(阻水弁)」と書かれた当時からの鉄ぶたがありました。


塔のてっぺんには薄紫の装飾灯が取り付けら、壁面には柱頭に装飾の施された12本の付け柱が並びます。

 こちらは大正12年3月竣工の2号塔。 「滾々不盡」の銘文が埋め込まれています。

手前が2号塔で奥が1号塔。 同じデザインで仕上げられた双子の配水塔。

2つの塔はトラス橋で結ばれていて、 片方の橋脚には階段が取り付けられています。

敷地の奥の方に建っていたのが大正12年竣工の量水室。
 スタート地点近くまで戻ってきて、最後に見学するのは第一配水ポンプ場です。
昭和7年竣工のスクラッチタイル張りの建物です。  出入口周りの装飾も見事です。
個人的には蔦の絡まり具合が気に入りました(笑)

ポンプ場の中はシンプルながらも壁面のタイルや手すりのグリルなど装飾が施されていました。
移動式のクレーンのレールを支える持送り(?)も面白いです。 

以上でひと通り見学し終わったのですが、ここで今日の日没後に装飾灯が点灯するという情報を耳にしました。 でも、まだ2時をまわったばかりだし、帰りが遅くなると電車が混むかもと迷っていたのですが、「待つべき」と天のお告げがあったので、駒沢公園で時間をつぶすことにしました(意外と給水所から遠かった…)。

5時前くらいから撮影スポットを探しつつウロウロしながら待っていると、5時23分にようやく点灯しました!

夕闇に浮かび上がる配水塔。 薄紫色の灯が映えます。 各塔に12個づつ、トラス橋の上に4個、計28個付いています。



 この日はかなり歩き回ってクタクタになりましたが、塔を間近に見ることが出来、ライトアップも見ることが出来たので大満足な一日でした。

2014/09/12

岩手県盛岡市の近代建築 (その3)

上の橋(昭和10年)
与の字橋から上流に向かって歩いて行くと、和風の高欄が付いた橋が見えてきます。
この高欄に付いている擬宝珠は初代(慶長14年)の時から付いているもので、国の重要美術品に指定されています。
橋脚にも灯籠を意識したのか小屋根の付いたデザインが施されています。

旧石川県令私邸(明治19年)
この蔦で覆われた建物は、2代目の県令だった石井省一郎の私邸として建てられた洋館です。
裏側は比較的蔦も少なく、1階と2階で異なる窓のデザインも確認できます。

旧工藤勝四郎家所有煉瓦建物(明治45年)
現在は東北総業という会社の事務所として使用されています。

旧宣教師館(大正9年)
下ノ橋教会に派遣された宣教師の為の住居として建てられました。
現在は桜城河北地区市民センターとして使用されています。

岩手大学農学部のキャンパスには盛岡高等農林学校時代の遺構がいくつか残っていて、重要文化財に指定されています。

 旧盛岡高等農林学校 正門(明治35年)  国指定重要文化財
 旧盛岡高等農林学校 門番所(明治36年) 国指定重要文化財
 旧盛岡高等農林学校 本館(大正元年) 国指定重要文化財
旧盛岡高等農林学校 同窓会事務所(昭和3年)


旧宇津野発電所(明治38年)
岩手県内現存最古の発電施設。

盛岡市の最後は米内浄水場(昭和9年)です。
ここは市街地からはちょっと離れているので車で行ったのですが、門が閉まっていたので外から眺めるだけでした。

門の向こうに3基並んでいるのが、緩速ろ過池調整室です。 うーん、近くで見たかった。
こちらは八角形の出水井。 この隣に事務所もあったのですが、木に囲まれていてよく見えませんでした。 これらの浄水場内の建造物は、登録有形文化財に指定されています。
  浄水場の少し上流にある、取水堰堤。 規模は小さいですがRをつけた石積みが美しいです。


以上で盛岡市の近代建築と土木遺産はおしまいです。
山形市や弘前市でも感じたのですが、盛岡市も街として積極的に近代建築を活用しているなと思いました。 どことなく昭和な雰囲気も残っていて楽しめました。
今回訪れることが出来なかった建物もいくつかあるので、また機会があれば来たいです。

2014/09/07

岩手県盛岡市の近代建築 (その2)

盛岡市の続きです。

旧盛岡銀行本店 (明治44年)
岩手銀行の本店本館、中ノ橋支店として使われ続けてきたこの建物は、現在一般公開に向けて改修中でした。  設計は辰野金吾と葛西萬司の辰野・葛西建築設計事務所。
期待していた建物だけにちょっとがっかり。

盛岡信用金庫本店 (昭和2年)
こちらは鉄筋コンクリート造りで、盛岡貯蓄銀行の本店として建てられました。
盛岡出身の葛西萬司による設計です。
6本のオーダーが並んだ重厚なスタイル。
 裏にまわってみると凝ったデザインの通用門がありました。

もりおか啄木・賢治青春館 (明治43年)
銀行建築第3弾は旧第九十銀行本店です。 現在は1階に喫茶室が入り、展示ホールなどに利用されています。
訪れた時は「欧米のポスター100」展が開催されていました。

南側の壁面。 タイル貼りに地元川目産の花崗岩を使用した装飾が施されています。
 1階の天井には巨大なレリーフ。


小原写真館
 肴町商店街をぶらぶらしていて発見した建物。 ネットで調べても詳しい情報は得られませんでしたが、おそらく戦前の建物ではないでしょうか。 我ながらすごい嗅覚。
どうしてこうなったかは不明ですが、人魚のレリーフがインパクトありすぎ!

紺屋町番屋 (大正2年)
下見板張りの木造2階建に望楼が付いた洋風の消防施設。2005年まで盛岡市消防第五分団の屯所として使用されていました。
「火の用心」の標灯がレトロ。 よく見ると持送りのデザインも洒落ています。
六角形の望楼の先端には避雷針が付いています。


与の字橋 (大正14年)
紺屋町番屋のすぐ近くに架かっている大正期のRC桁橋。 
紺屋町番屋はかつて盛岡消防よ組番屋という名前で、そのよ組が消防活動に必要だからと橋を架けたのが名前の由来だそうです。
5列の井桁が並ぶ橋脚部分。 右に望楼が見えます。

 続く。