2014/01/31

千刈堰堤 ~ 兵庫県神戸市北区

千刈堰堤へやって来ました。

事前に地図で調べた時には、堰堤の近くまで道路があったので車で行けると思っていたのですが、途中に門があって行けませんでした。

一瞬、堰堤まで行けないのかとがっかりしましたが、川沿いに散策路を発見。
結構な距離があるんだろうなと思いつつ歩いて行くと、500メートルほどで水の落ちる音が聞こえてきました。

10分もかからずにあっさりと到着。
豪快に放水しています。 ラッキー!

手前に架かっている「千刈橋」。


橋の上にある登録有形文化財と近代化産業遺産のプレート。

 千刈堰堤は大正8年竣工の粗石モルタル重力式ダムで、上部に現存最古の17門のスライドゲートを備えています。

間近で見る放水は迫力がありました。

堰堤の上まで階段を上っていくと、竣工記念碑がありました。
「人助天」の扁額と建設に関わった人達の名前が刻まれたプレート。

千刈橋の脇にある滝のような放水口。


 土地勘がないので車でないと行けないような僻地かと思っていたのですが、よくよく調べてみたらJR福知山線の道場駅から2kmで歩いて行ける場所でした。
貯水池周辺はハイキングコースとして整備されているので、ゆっくり見て周るのもいいかもしれません。

この後は福知山線の廃線跡を散策したりしたのですが、それはまた別の機会に…。



2014/01/19

烏原立ヶ畑堰堤 ~ 兵庫県神戸市兵庫区


神戸市のダム第二弾は 明治38年竣功の立ヶ畑堰堤です。
国の「登録有形文化財」、経済産業省の「近代化産業遺産」に認定されています。

今までこのダムのことは烏原堰堤と呼んでいたのですが、どうやら「烏原貯水池」の「 立ヶ畑堰堤」が正式名称のようです。

最初に貯水池の上流側にある取水施設に来ました。
この辺りだけでもかなり見応えがありました。

最初に目に入ってきたのが3門のゲートを備えた締切堰堤。
苔むした欄干もいい雰囲気です。


そのすぐ上流にある管理小屋。

古典主義的な放水門。

放水門の屋上にあったゲート操作用の装置。

放水路に架かるコンクリートアーチ橋。

貯水池沿いの道を進んでいくと堰堤が見えてきました。
この近辺は駐車場がないので要注意です。

貯水池の護岸には臼が埋め込まれています。 これは貯水池に沈んだ烏原村で使用されていたものを記念に残したものです。

天端までやって来ました。
親柱には「大正3年拡張」と書かれています。 これは大正3~4年に堤高を2.7mほど嵩上げした時のものです。
 
立ヶ畑堰堤は天端の上を自由に歩くことが出来ます。
取水塔はかなり気合が入っています。


「養而不窮」と刻まれた扁額。 中国の故事からとられたもの。
扉には水?のマーク。

左側のプレートには当時の市長たちの名前と任期が刻まれています。

右のプレートには佐野藤次郎ら工事に関わった技術者たちの名前が刻まれています。

対岸から堰堤を見たところ。

下流側から見た堰体。
中央部にはクレストゲートを備えた4連アーチの余水吐があります。

堰堤の真下にある沈澄池という水質を改善させる施設。

堰堤から下流側に下りていったあたりにある天王谷川水路橋。
近くにもう一つ水路橋があるはずだったのですが、見つけられず。

堰堤の脇の敷地には古そうな建物が残っていましたが、当時からのものなのかは不明。

 その敷地内の小高いところにあった謎のシンボルマークが刻まれた謎の施設。


以上で立ヶ畑堰堤の探索は終了です。

次は神戸市のダム第三弾「千刈堰堤」を紹介します。





2014/01/13

布引五本松堰堤 ~ 兵庫県神戸市中央区


過去の画像が消えたショックから立ち直れないまま放置していましたが、久しぶりに更新します。 
正月休みを利用して兵庫~大阪~京都と周ってきたので、しばらくは関西のネタが続きます。

まずは、重要文化財にも指定されている布引五本松堰堤です。
堰堤に行くには新神戸駅の裏手からハイキング道を登っていくので、新神戸駅の駐車場に車を停めます。

ですが、ここは楽をして近くから出てるハーブ園に行くロープウェイを使って中間駅で降りることにしました。

 ロープウェイからは神戸の街並みが見渡せます。

中間駅が近づいてくると、左手に堰堤が見えてきました。 明治33年竣功の日本で最初の重力式コンクリートダムです。

ロープウェイを降りてハイキングコースに向かいます。
 まっすぐ堰堤に向かいたいところですが、先に上流にある関連施設を見に行くことにしました。

最初に見つけたのが締切堰堤でした。 これは貯水池の水が逆流しないように設けられているそうです。

さらに上流に向かうと分水堰堤が見えてきました。 ここで貯水池への水量を調整したり、土砂の流入を防いでいます。 樹の枝でよく見えないのが残念ですが、切石でアーチ状になっています。

分水堰堤の附属橋です。日本初のRC開腹アーチ橋。

 今きた道をダム湖に沿って戻っていくと五本松堰堤が見えてきました。

重要文化財と近代化産業遺産の認定プレート。

石積みが美しいシンプルな堰体。 上部にはアクセントとしてデンティルが施されています。
造られてから一世紀以上経った現在も神戸市の水源として利用されています。

堰堤から新神戸駅に向かう道を下って行くと谷川橋があります。
大正期のRC開腹アーチ(リブ+柱)です。

見晴らし展望台の脇に残っていた門柱と門衛所。

せっかくなので布引の滝の一つである雄滝にも寄ってみました。

さらに下流に行くと雌滝があり、そこに取水堰堤と取水塔があります。
こちらも五本松堰堤と同時期に造られたものです。

あともう少しで新神戸駅というところに、最後の関連施設である砂子橋があります。
この橋は中に導水管が通っていて水路橋になっています。

欄干には神戸市の市章。 
ここまで見てきた施設全体が「布引水源地水道施設」として重要文化財に指定されています。

砂子橋から新神戸駅の駐車場までは3分ほどで着いてしまいました。
ロープウェイを使ったおかげもあって1時間半ほどで戻ってくることが出来ました。

次も神戸市のダムを紹介したいと思います。