2015/05/31

自由学園南沢キャンパス(その3)〜 東京都東久留米市

 女子部から男子部に移動してきました。

最初に目にしたのが遠藤楽設計で平成4年に建てられた男子部食堂です。

年代が新しいせいかライトっぽさはあまり感じさせません。

 男子部のキャンパスに入っていくアプローチ部分です。 キャンパス内は高低差があってこういった階段がいくつもあります。それがものすごく良い雰囲気を生み出しているのですが、ベビーカーの方たちは苦労されているみたいでした(笑)



 階段を上ると職員室?らしき建物があります。

中央の芝生では転回運動部の発表会が行われていました。 左側にある建物は遠藤楽が設計した新しい校舎なのですが、なぜだか写真を撮り忘れてしまいました。
 

 新校舎の反対側にある遠藤新設計のオリジナル校舎。昭和10年の竣工です。
女子部と比べるとシンプルすぎる外観。 利便性のため仕方がないのかもしれませんが、入口ドアがアルミサッシの物に替えられているのがちょっと残念でした。


芝生の隅にあった日時計。 周りの石は何かの廃材?


中心に位置する昭和11年竣工の男子部体育館。 こちらも遠藤新が設計した建物です。
女子部食堂と同じく全面にスリットの入ったデザインです。


ポーチ部分にはアーチのデザインが用いられています。 このポーチの部分は2階建てになっています。

 中に入ってみました。

 肋木の並んだ壁面。 バスケットゴールの裏はバルコニーの様になっていますが、あの部分にボールが行くと取りに行くのがめんどくさいんじゃないかと思いました。 余計なお世話ですね。


外観と同じく中もシンプルな造りかなと思っていたのですが、違いました。 振り返った正面側は非常に凝ったデザインになっています。
 

 正面だけ採光のために天井が高くなっています。 こんな構造になっているとは想像していませんでした。
 

2階からバルコニーに上がる所。あえて高さを揃えないところが良いです。 なぜあそこにコンセント?

 建具は女子部で使われていたのと共通のデザイン。

もうひとつ驚いたのが暖房器具が薪ストーブ! 六角形の形をしているけど、これも遠藤新がデザインしたのでしょうか? 後ろにあるベンチもかわいいです。

 この後、初等部に向かったのですが、ふと気が付くと暑さで脱いでいた上着が見当たりません(カバンに引っ掛けていた)。 慌てて来た道を戻りながら探しました。
で、発見したのがこの男子部体育館の前の芝生。 おそらく40分くらいは経っていたと思いますが、そのままになっていました。
 恥ずかしかったので、さり気なく近づいて、さり気なく回収してきました。 誰にも気づかれていないはず。

初等部編に続く。







自由学園南沢キャンパス(その2)〜 東京都東久留米市


女子部の続きです。

食堂の西側にある池の突き当りに来ると女子部講堂が見えてきます。

長い庇の付いた塔が左右に立つ外観は明日館講堂や真岡市久保講堂とよく似ています。

 建物の前には半円形の大谷石で造られた池が配置されています。

キャンパスというよりは庭園にいるみたいです。

 完全にシンメトリーな外観。

両サイドのデザインは食堂と統一感のあるものになっています。 正面から見た時とはまた印象が変わります。

 窓のデザインは食堂よりもさらにシンプルになっています。

中には入れなかったので窓から覗いてみました。

 次は最初に見た女子部体操館へ行きます。 ここは食堂と体操館の間の通路です。 高低差のある2つの建物から伸びた庇が重なり合うデザインになっています。 うーん、ライトっぽい。


建物の裏側から見ていきます。
 

食堂の回廊と同様に四角い柱が 立ち並びます。 ここから中へ入れます。


こちらは大芝生へ出る通路。


正面へ周ってみます。 この日は中央のホールでで紙工作教室が開かれていました。


跳ね上げ式の窓。 教室の窓もこのタイプでした。
 

日除け(パーゴラっていうのかな?)が両サイドに設置されています。


ここにも池が。 キャンパス内には至る所に池があって建物に彩りを添えていました(ただ男子部にだけはなかった…)。



中の様子。放射状に伸びた梁がかっこいいです。


 一部2階建てになっていました。

 朝から比べるとかなり人が多くなってきました。 工作教室も大盛況です。 朝のうちに真正面からの写真をとっておくべきでした。

以上で女子部は終わりですが、まだまだ続きます。

次回は男子部編です。






2015/05/27

自由学園南沢キャンパス(その1)〜 東京都東久留米市

5月24日に自由学園南沢キャンパスで行われた南沢フェスティバルに行ってきました。

前日までの天気予報では曇り時々雨で降水確率50%でした。 朝出かけるときも曇っていたので、合羽に折り畳み傘、防水のバッグと靴といった重装備で出かけたのですが、向こうに着いた頃には晴れていました。 晴れ男復活!

自由学園といえば池袋にあるフランク・ロイド・ライトと遠藤新が設計した明日館が有名ですが、南沢キャンパスの建物は遠藤新とその息子である遠藤楽が設計をしています。
 

南沢キャンパスは大きく分けて女子部、男子部、初等部と分かれています。 まず最初にメインの女子部に向かうことにしました。 美味しいものは最初に食べるタイプなのです。

そこで目に飛び込んできたのがこの光景。 美しい大芝生の先に見えるのが女子部体操館で、そのさらに奥にちらっと見えているのが女子部食堂です。 女子部の建物は遠藤新によって昭和9年に建てられたものです。

 最初に女子部食堂を見ていきます。 正面に食堂があり、その両脇に4棟の教室がシンメトリーに配置されています。

 内部の天井はフラットになっていてそこから4つのペンダントライトがぶら下がっています。窓のデザインは明日館と比べるとシンプルなデザイン。
これが学食だなんて!洒落たカフェに来た気分です。

 食堂の奥にある暖炉。
 
暖炉の裏側には小部屋があってそこにも暖炉があります。

その部屋には明日館で見た椅子と似ている六角形の背もたれの椅子が置いてありました。


外へ出てみます。 正面左側にはチャイムが置かれています。 当時からのものでしょうか?



両サイドのせり出した部分は靴を脱いだりする場所になっています。

 

格子と瓦がどことなく和の雰囲気を感じさせます。


食堂入口に置かれている黒板。 


 食堂とそれぞれの教室はこのような回廊でつながっていて、雨の日でも濡れずに移動ができます。 さらには突き当りの体操館までもそのまま行けてしまいます。
 

この廊下の庇を支える照明は色は違いますが明日館と全く同じデザイン。


教室の廊下。装飾はなく落ち着いた雰囲気になっています。
 

教室と教室の間には池が配置されていて非常に美しいです。

規則正しく3列に並んだ大谷石の飛び石。


食堂と教室だけでかなりの枚数になってしまいましたので、女子部体操館と女子部講堂は次回にしたいと思います。

そう、調子に乗って写真を撮りまくってきたのです。

続く。