2015/06/29

梵寿綱の建築・池袋編 〜 東京都豊島区

先日、梅雨の晴れ間を利用して自由学園明日館の写真を撮りに池袋へ行ってきました。

行きの電車の中で明日館のHPを確認していたら、この日(というか土日は全部)は結婚式で埋まっていました。 6月だということをすっかり忘れていました…。
おまけに講堂は平成29年3月まで耐震補強工事中とのこと。

そこでふと思い出したのが、確か池袋にも梵寿綱の建築があったなということでした。 急いで検索してみたところ、池袋には3件ありました。

ということで、今回は趣向を変えて「日本のガウディ」とも言われる梵寿綱(ぼんじゅこう)の建築を紹介したいと思います。

・ヴェッセル:輝く器 (平成2年)
まずやってきたのが飲食店などが入るこのビル。 梵寿綱の作品にしては控えめな装飾です。
壁面はタイルかと思っていたらステンドグラスを埋め込んだものだそうです。

 入口の妖しいオブジェの数々。太陽に蛙に蜥蜴?



 中の階段を上ってみました。 壁面はすべてタイル張りで最上階にはステンドグラスの入った丸窓がありました。



・斐醴祈(ひらき):賢者の石(昭和54年)
 先程のビルの目と鼻の先にあります。下のほうが「平喜屋」の事務所や倉庫、上のほうが賃貸マンションになっています。

 どど~ん! このインパクト!! 決してラブホではありません。

 事務所の方から見ていきます。マンションの入口とは別になっていて、2階に事務所があります。

 歩道の脇に敷かれていたタイル。
こちらがマンションのエントランスなのですが、何やら工事中で床にはブルーシートが敷かれて資材が置いてある状態でした。  作業の邪魔にならないようささっと撮ってきました。

 もう一度言いますが、ここ、マンションのエントランスです。
 エントランスから先のマンション部分はごくごく普通の共同住宅でしたが、中にはこんなドアのお宅も。

・Petti Etang (昭和61年)
池袋の西口からちょっと歩いた住宅街にあります。 オートロックで中には入れませんでした。

次回、昨年に訪れた杉並編に続きます。 そちらもかなりのインパクトがありました!

2015/06/25

群馬県桐生市の近代建築(その5)

・旧金谷レース工業 鋸屋根工場  大正8年 《国登録有形文化財》
市内で唯一のレンガ造りのノコギリ屋根の工場です。 平成20年に改装されて「ベーカリーカフェレンガ」になりました。



 ・旧金谷レース工業 事務所  昭和初期 《国登録有形文化財》
工場の事務所として使われていました。スクラッチタイルや丸窓などが特徴的です。隣には和風の旧住居があるのですが、そちらはお蕎麦屋さんになっていました。


 改装される前の写真。工場の手前にはガレージがありました。

・旧住善織物工場  大正11年
こちらは市内で唯一の鉄筋コンクリート造りのノコギリ屋根工場。

・旧曽我織物工場  大正11年 《国登録有形文化財》
大谷石造りの外壁に5連のノコギリ屋根。 無鄰館の近くにあります。

・旧堀祐織物工場  昭和10年頃 《国登録有形文化財》
現在は美容室として使われています。

・織物参考館 “紫”  大正11年頃 《国登録有形文化財》
森秀織物が旧工場を利用して運営している資料館です。手織体験や染色教室なども行われています。

おまけで織物参考館の向かいにあったカトリック桐生教会(昭和33年)の写真。 戦後の建築ですが素敵な建物でした。

以上で桐生市の建物紹介は終わりです。

これだけの近代建築が残っていることからもかつての繁栄ぶりがうかがえます。 そして、その遺産を積極的に活用していこうとしている所に「織物の街」としての誇りを感じることが出来ました。

今回、織物記念館で市内に残るノコギリ屋根工場の地図をもらってきたので、次に訪れる時はまだ見ぬノコギリ屋根ツアーを行いたいと思います。

2015/06/21

群馬県桐生市の近代建築(その4)

・群馬大学工学部 同窓記念会館  大正5年 《国登録有形文化財》
旧桐生染織高等学校の建物が群馬大学工学部のキャンパスに残っています。 講堂と本館玄関の一部、門衛所、正門が国の登録有形文化財に指定されています。
 以前はこんな色でした。
 ・守衛所(旧桐生染織高等学校門衛所) 大正5年 《国登録有形文化財》
 ・旧桐生染織高等学校正門  大正5年 《国登録有形文化財》

・森合資会社事務所  大正3年 《国登録有形文化財》
群馬大学から駅に向かうこの本町通りには古い建物が数多く残っていて重要伝統的建造物群保存地区に指定されています。

 ・曽我家住宅門  大正11年頃 《国登録有形文化財》
 ・曽我家住宅主屋  明治後期 《国登録有形文化財》

・有鄰館(旧矢野本店煉瓦蔵) 大正9年 《桐生市指定重要文化財》


 ・矢野本店  大正5年 《桐生市指定重要文化財》

・無鄰館(旧北川織物工場) 大正5年頃 《国登録有形文化財》
桐生市には現在でも220棟余りのノコギリ屋根の工場が残っているそうです。 ここもそんな工場の一つですが、現在は様々なアーティストが活動する場として利用されています。


次回ではそんなノコギリ屋根の工場をごく一部ですが紹介したいと思います。

続く。