2016/02/28

旧佐世保要塞(その2) 〜 長崎県佐世保市

丸出山堡塁を出発したあたりから再び雨が降り出してきました。

カーナビが案内してくれた道は、樹の枝や小石が散乱している廃道と言っていいような狭い山道でした。 「これ本当に進んでいいのか!?」とビビりながら車を走らせていくと、ようやくそれらしき入口を発見しました。

小首堡塁 明治33年
横道を入って行くとすぐに煉瓦の門柱が見えてきました。

 さらに進んでいくとそこにはオープンカー状態にまで朽ち果てた車が…。 何故こんな所に捨ててあるのでしょうか。 

6つのアーチが並ぶ棲息掩蔽部。

各部屋には番号が振られています。

更に奥へと進んでいくと今度は地下式の棲息掩蔽部が2ヶ所あります。

 中は真っ暗で何もありません。仕方がなくフラッシュを焚いたので自分の影が写ってしまいました。

最後に砲台跡に行ってみると見事に草木に埋もれていました。

雨が降っているので駆け足で見て周りましたが、この小首堡塁の先にもう一つ砲台跡があるので、そちらに向かいます。

高後崎砲台 明治31年
相変わらず酷い道を進んでいくと、また煉瓦の門柱が見えてきました。 この先は行き止まりになっていて、Uターンするスペースもないので進入しない方が良いです。 僕は突き当りまで行ってしまい、狭い道を200mくらいバックで戻るはめになりました。

門柱から100mくらい先にある小道を入って行くと煉瓦の壁が現れます。 雨のせいでスッキリした写真が撮れないのが残念。
井戸? 水槽?のような遺構。

 ここにも地下式の棲息掩蔽部があります。ここはL字型になっていて、階段を下りて曲がった先に2室並んでいます。

 藪をかき分けて進んでいくともう一つの棲息掩蔽部があります。

この高後崎砲台の最大の見所は、この原型を留めている扉でしょう。木枠などがかろうじて残っていたりする所はあっても扉が残っているのは初めて見ました。 前回の装甲観測所もそうですが、よく現在まで残っていたものです


再び車に戻って門柱までバックで進んだ後、今度は10回くらい切り返してなんとかUターンすることが出来ました。 ここに行かれる方はもっと手前で車を置いて行く方が良いかと思われます。

次は、対岸の西海市にある石原岳堡塁を紹介します。

つづく。



2016/02/25

旧佐世保要塞(その1) 〜 長崎県佐世保市

佐世保にやって来たのですが、小雨がぱらつくあいにくの天気でした。 そこで予定を変更して午後から見に行く予定だった、市街地から車で30分ほど離れた俵ヶ浦町にある旧佐世保要塞の施設群に行ってみることにしました。

丸出山堡塁 装甲観測所跡  明治34年
車のナビとスマホを駆使して辿り着いたのは、小高い山上にある観測所の跡。今のところ雨は止んでいるようです。最初に目につくのが石と煉瓦の壁を持つ掩蔽棲息部。

その横に観測所に向かう階段があります。 実はここの観測所に来るのを楽しみにしていました。 なぜなら…。

そう! 観測所を覆う鋼鉄製の掩蓋が残っているのです! 今まで各地の砲台跡で観測所を見てきましたが、実際にこうして掩蓋が残っているものは初めて見ました。 以前に行った友ヶ島にもあったらしいのですが、その時は下調べをしていなくて発見出来ませんでした。

 無数に打たれたリベットがかっこいいです。 ところどころ朽ちている部分はありますが、とても100年以上風雨にさらされていたとは思えません。

 扉は開かれていてウェルカム状態なので、中に入ってみます。

中には他の砲台跡でも見かける丸い台がありますが、さすがに保存状態が良いです。今まで上の部分がない状態ばかり見てきたので、こんな風になっていたのかと感動しました。

窓からは九十九島が眺められるのですが、霞がかっていてちょっと残念。 天気が良ければ絶景でしょう。

この次はここより少し南にある小首砲台へ向かいます。

つづく。

2016/02/18

横浜三塔の日

 今年も3月6日に「横浜三塔の日」のイベントが行われるようです。

例年通り、ジャックの塔に登ったり、県庁や横浜税関の中を見学することが出来ます。 ジャックの塔が先着300名なので要注意なのは毎年の事なのですが、今年は横浜税関の見学は整理券無しで自由に見て回れるようです。 じっくりとクイーンの塔を見学出来るとなると、今年も行きたくなってきました。 去年はどんよりとした天気だったので、今年は晴れて欲しい!

下にパンフレットの画像を貼りましたが、詳しくはこちらで。


2016/02/14

武雄温泉 〜 佐賀県武雄市

武雄温泉の楼門と新館を設計したのは、あの東京駅をせっけいした辰野金吾です。 東京駅のドームの天井には8つの干支のレリーフがあり、ここの楼門の4つの干支の彫刻と合わせると十二支が揃うそうです。

武雄温泉楼門  大正4年  ※国重要文化財
 着いたのは夕暮れ時でした。 温泉に入りに来た人達で賑わっています。 この日はここから歩いていける距離のホテルに泊る予定だったので、日没までここで時間を過ごしました。

1階の天井は折上格天井。

 年末ということで残念ながら4つの干支は見学することは出来ませんでした。

本瓦葺きの屋根にはシャチホコが載っています。

辺りが暗くなってくるとライトアップの照明が灯りました。 赤が一層際立ちます。

武雄温泉新館  昭和4年  ※国重要文化財
現在はお土産物屋さん兼資料館として使われています。中は自由に見学することが出来ます。両翼のある左右対称のデザインになっています。

2階正面には花頭窓、桟瓦葺きの屋根には洋風のドーマー窓が設けらています。 1階と2階で窓のデザインを変えているのも見逃せません。

 男湯の大浴場。 浴槽は大理石で床と壁はタイル張り。

上を見上げると八角形の湯気抜きがあります。

 こちらは女湯の大浴場です。

 鮮やかなマジョリカタイルが使われている小浴場。

 通りすがりの猫と目があってしまいました。

こちらは後に増設された露天風呂。 現在はガラスでフタをされていました。

2階へ上がってきました。

2階は床の間の設けられた和室になっています。 お風呂あがりにはここで休憩したのでしょうか。

窓からは先程の浴場の八角形の屋根が見下ろせます。

照明のデザインもレトロで良い感じです。

花頭窓からライトアップされた楼門を眺めます。


ここからほど近い場所には遠藤新設計の「如蘭塾」もあります。 遠藤新といえば若かりし頃、辰野金吾の東京駅を批判した人物。 その二人の設計した建物が同じ町に残るというのは単なる偶然なのでしょうか。 もっとも辰野先生は批判など全く気にせず、遠藤新を褒め続けたそうですが(笑)。




2016/02/07

迎賓館 赤坂離宮 2016参観 〜 東京都港区

今日は2月5日から18日まで行われている迎賓館赤坂離宮の参観に行ってきました。

今回は初の試みとして和風別館の公開が事前申込み制であったのですが、残念ながら抽選にもれてしまいました。
ただ、今回は主庭と館内の見学が事前の申し込み不要で整理券を配布する方式だったので(前庭はいつも通り誰でも入れます)出かけてきました。
詳しくはこちらを見てください。

見学ができるのは10時からですが、9時に着いた時には10時からの見学分は締め切られていたので、11時からの見学にしました。 整理券を受け取るのに特に並ぶ必要はなく、受け取った後は10時までブラブラして前庭の見学を先に済ませることにしました。
11時に西門に向かうときにはすでに整理券の配布は終了していたので、休日に行く場合は10時くらいまでには着いていたほうが良いかもしれません。

それでは前庭の画像から。 前庭の公開に来るのは3年ぶりです。今回は文化財に油がかけられる事件があった影響で、水筒やペットボトル(未開栓ならOK)のチェックがありました。 持ち込む場合はその場でちょっと口にしてもらうそうです(笑)

続いて主庭へ。今日は日差しと風が強くて、噴水の水が強風で煽られた時には虹が出ていました。 いつもは汗をかきながらの参観ですが、きょうは寒かったです。 館内の見学はいつもどおりで、期待していた東の間(旧喫煙室)の公開はありませんでした。

今年の夏の参観がどうなるのかわかりませんが、また和風別館の公開があれば申し込んでみたいと思います。