2019/11/02

消えていった近代建築たち 〜 その2

週末になると天気が崩れるというパターンがずっと続いていて、どこにも写真を撮りに行っていません。
というわけで古い写真を紹介していきます。

東京都中央卸売市場築地市場(昭和10年)  東京都中央区  ※2018年解体
豊洲市場への移転により昨年解体されてしまいました。 移転が延期になってくれたおかげで最後にもう一度訪れる事が出来ました。
市場内は別世界で何時間いても飽きることがなかったです。 施設の老朽化は否めないので移転は仕方のない事ですが、この空間がもう戻ってこないのはやはり残念です。
2018年5月撮影

 ・岐阜県教育会館(大正末期)  岐阜県岐阜市  ※2011年解体
旧岐阜県庁舎の近くにあった建物です。 写真を撮りに行った時点ですでに廃墟化していて、翌年には取り壊されてしまったようです。
2010年12月撮影

旧加納町役場(大正15年)  岐阜県岐阜市  ※2016年解体
岐阜駅の南側、加納本町にあった建物です。 武田五一の設計で登録有形文化財にも指定されていたので、てっきり保存されるものだと思っていました。 なので、2017年に再訪して更地になっているのを見た時はショックでした。
2010年12月撮影

 ・ファミリアホール(明治33年)  兵庫県神戸市中央区  ※2016年解体
旧三菱銀行神戸支店。 跡地にはマンションが建ちますが、解体した部材を組み直して外観が復元されるそうです。 ここにあったスヌーピーの石像はファミリアの新社屋の方に移転したそうです。
2013年12月撮影

聖心幼稚園(昭和6年)  長崎県佐世保市  ※2017年解体
三浦町協会に隣接していた幼稚園ですが、耐震性の問題などにより2017年に閉園となってしまった模様です。 設計は長崎を中心に数多くの教会堂を手掛けた鉄川与助です。
2015年12月撮影

熊本市役所古京町別館(昭和初期)  熊本県熊本市中央区  ※2017年解体
2016年の熊本地震で被害を受け、取り壊されてしまったようです。
2008年1月撮影

平楽寺書店(昭和2年)  京都府京都市中京区  ※2017年解体
登録有形文化財に指定されていた仏教書出版社の社屋でしたが、改修費用の捻出が困難になったために取り壊されてしまいました。 外観は非常に綺麗に見えたので残念です。
2014年1月撮影

 ・旧下司医院(昭和初期) 愛媛県八幡浜市  ※2017年解体
今年の夏に再訪したら無くなっていました。 狭い路地に面して建っていて写真を撮るのに苦労したので、撮り直そうと思ったのですが…。
2013年1月撮影

旧九州帝国大学医学部第一外科教室(昭和2年) 福岡県福岡市東区  ※2008年解体
九州大学の箱崎キャンパスの近代建築はブログでも紹介しましたが、こちらは医学部のある馬出キャンパスにあった建物です。  現在、跡地は駐車場になっていました。
2007年12月撮影

九州大学旧看護婦宿舎(昭和9年) 福岡県福岡市東区  ※2008年解体
馬出キャンパスを探索していて北門の近くで見つけた建物です。 当時すでにかなり傷みが激しかったように思います。 かなりモダンなデザインで、特に裏手の螺旋階段が印象的でした。
2007年12月撮影


今回はここまで。
また機会があれば第三弾で紹介したいと思います。


2019/10/01

2019 北海道ツーリング 〜 総集編

・8月18日  大洗町〜江戸川区


朝、デッキに出てみると綺麗な朝日を見ることが出来ました。

茨城に着いて高速に乗る前に茨木町の「こどもや」さんに寄りました。 8月いっぱいで店を閉めてしまうという話をSNSで知ったからです。 閉店後は建物は取り壊されてしまうそうです。 
 店内で写真を撮っていると、取材に来ていた地元の高校生に「遠くから来ている人の話も聞きたいので、インタビューさせて下さい」とお願いされたのですが、そういうのがとても苦手な性格なので断ってしまいました。 お役に立てずにごめんなさい。

16時45分 無事に家に帰ってきました。 写真のフラッグは 北海道ツーリングの代名詞「ホクレンフラッグ」です。 ホクレンで給油すると買うことができるのですが、地域によって色が変わり、全4色あります。 去年は雨で集める気力もありませんでした。


今年は天候にも恵まれてトラブルも無く、楽しい旅でした。 気温は大体20〜25℃くらいで、メッシュジャケットだけではちょっと寒かったけれど、 暑いよりかは良かったです。 とりあえず一番の目標だったタウシュベツ川橋梁に行くことが出来たので、その後の予定を天候優先で組み立てたのが功を奏しました。
少し心残りなのは帯広に行かなかったことですが、またの機会に持ち越しです。

今回の旅には車載動画を撮るためにGoProを持っていきました。 去年もアクションカメラを持っていきましたが、安い中華製の偽Proでした。 やはり本家のほうが動作が安定していて、撮れていなかったという失敗は一つもありませんでした。 最初からこれ買っておけば良かった…。

最後に今回の旅のまとめ動画を載せておきます。 あれこれ詰め込んでいたらとても長くなってしまったので、暇な時に見て下さい。

【PART1】  苫小牧〜夕張〜上士幌〜釧路〜根室〜納沙布岬



【PART2】  納沙布岬〜野付半島〜網走〜北見〜旭川〜苫小牧





2019/09/29

2019 北海道ツーリング 〜 その8

・8月17日  旭川市〜苫小牧市


夜中はかなり雨が振ったようですが朝方にはほぼ止んでいました。南の方から天気は回復してくるという予報なので、このまま南下すれば雨雲に当たる心配はなさそうです。

最初に滝川市にやって来ました。 ここは去年通りかかったのですが、土砂降りの雨でスルーしてしまいました。
北洋銀行滝川支店(旧北海道拓殖銀行滝川支店)」 このタイプの銀行建築は全国各地で見られますが、北海道では珍しいかも。
 その向かいに建つ「なかがわ金物店(旧丸井今井呉服滝川支店)」。

一気に南下して美唄市の「旧沼東小学校」に来ました。 ここは去年膝まで水没した挙げ句にカメラのレンズが曇ってまともに写真が撮れなかったという悔しい思い出がありますす。
今回は建物の周りは水没していなかったので楽々中に入ることができました。 リベンジ完了です!
 来た道を戻りながら美唄市を探索していきます。他にも年季の入った住宅などあったのですが、人の住んでいる気配があったので深入りはしませんでした。
旧沼東中学校体育館・商店跡
旧我路郵便局・郵便局裏手の建物
旧栄小学校・廃商店群
旧東明駅・旧落合会館

三笠市にある「旧住友奔別炭鉱立坑」。 ここのちょっと先にある「旧幾春別炭鉱錦立坑櫓」には去年行っているのに何故かここには来ていませんでした。

同じく三笠市にある「一の沢水源地取水塔」は明治41年竣工の北海道で2番めに出来た水道施設です。

「旧栗沢信用購買販売組合事務所」という建物を見に岩見沢市の栗沢に来たのですが、それらしい建物が見つかりません。 どうやら取り壊されてしまったようで、煉瓦の倉庫だけが残っていました。 このあたりでようやく青空が見えてきました。
そのときに見つけたのが「栗沢本町簡易郵便局」として使われている煉瓦倉庫。 その裏手には同じく煉瓦造りの古そうな住宅が連なっていました。

「ながぬまコミュニティ公園」に移設保存されている「旧舞鶴橋」。  昭和11年に千歳川に架けられましたが、橋の架替に伴ってこの地に保存されることになりました。 道内唯一の鋼ランガー橋として土木学会選奨土木遺産に認定されています。

 国道337号沿いにぽつんと残っている南幌町の「旧幌向駅逓所」。 昭和3年竣工で国登録有形文化財に指定されています。 残念ながら内部の公開はしていないようでした。

この後は支笏湖方面に行こうかと思っていたのですが、時間的に厳しそうで断念しました。 フェリーにギリギリで飛び込むのは避けたいので。

というわけで北海道の旅最後の目的地に選んだのはむかわ町の「日高本線 鵡川橋梁」です。 いい撮影ポイントが見つけられず、これが精一杯でした。

余裕をもって苫小牧のフェリーターミナルに到着。 去年は写真に写っている仙台行きの「太平洋フェリ」ーでしたが、今年は大洗行きの「商船三井フェリー」に乗り込みます。
 部屋はこんな感じの雑魚寝をカーテンで仕切ったもの。 キャンセル待ちで取れたのがこれだけだったので贅沢は言えません。 コンセントが使えるのはありがたかった。

さようなら、北海道。 去年と同様センチメンタルな気分になります。


本日の走行距離:278km


次回「総集編」に続く。



2019/09/22

2019 北海道ツーリング 〜 その7

・8月16日  旭川市


旭川市に着いて最初に訪れたのは、去年傘をさしながら写真を撮った「旭橋」。 去年は旭川市は本格的な雨で早々に撤退した為、今年はじっくりと見ていきます(笑)。

9条通りの「旧宮北秀吉邸」は木材業を営んでいた宮北秀吉の事務所として大正4年頃に建てられました。 現在は空き家のようでしたが、取り壊されない事を祈ります。
 近くで見つけた古そうな住宅。

昭和12年竣工の「旧松岡木材事務所」。 スクラッチタイルの外壁が 良い感じのビルですが、こちらも空き家のようでした。


そのお隣には大正14年竣工の「松岡家住宅」。 和館から伸びる煙突がかっこいいです。国登録有形文化財。
 実は「旧松岡木材事務所」に行った時にはこの建物の存在に気づかず、 素通りしていました。 日が暮れかかってホテルに向かう途中で偶然前を通りかかって、慌てて写真を撮ったのがこれです。 写真は露出を上げていますが、実際はかなり暗いです。

次にDOCOMOMOJapanの「日本におけるモダン・ムーブメントの建築100選」に選定されている「旭川市庁舎」。 戦後に数多くの公共建築物を手掛けた佐藤武夫の設計によって昭和33年に建てられました。

もう一つ戦後の建築で「北海道立旭川美術館」。 かなり新しく昭和56年の竣工となっています。 設計は田上義也。 こちらはしっかり下調べ済みです。

市役所の近くで「八條市場」という古そうな建物を見つけたので中に入ってみると、そこには時が止まったような空間が広がっていました。 廃墟のように見えますが、中ではお豆腐屋さんが操業していました。

2条通の角地に建つ「丸京橋本クリーニング」。 店舗・住居・倉庫が並んで建っています。

2条通の道北バスの乗務員休憩所として利用されていた建物。 こちらの建物も下調べした中には入っておらず、詳細不明です。

去年も訪れた「中原悌二郎記念旭川市彫刻美術館(旧旭川偕行社)」 。 明治35年竣工の本格的な木造洋風建築で国の重要文化財に指定されています。
 同じ敷地内の「六角堂」。 市内にあった「竹村病院」の玄関部分を移築保存しています。

こちらも旧陸軍の施設で「あさでん春光整備工場(旧陸軍第七師団騎兵第七連隊覆馬場)」です。 これは積雪時に中で軍馬の訓練ができるようにと造られたものです。 国登録有形文化財と経済産業省の近代化産業遺産に認定されています。

土木学会選奨土木遺産に認定されている「春光台配水池 第一、第二接合井」。 ここの一番の特徴は煉瓦造りの被覆式の緩速ろ過池なのですが、外からはその構造は確認できません。

高砂酒造」は明治41年頃に建てられた和風建築の事務所棟と、その向かいの昭和4年竣工の作業所棟が通りを挟んで建っています。

最後に「旧北海道官設鉄道工場」を見に行きました。 上が旋盤工場、下が鍛冶工場で2棟とも明治31年に建てられました。 設計は琵琶湖疏水などで知られる田辺朔郎です。

ここで写真を撮っている時にまた小学生の男の子に話しかけられました。
男の子「何を撮っているんですかー?」
自分「えーっと(困惑)、これ(建物を指差す)」
男の子「えー? これー!? 」
不思議そうな顔をして笑いながら走り去っていきました。
こっちの子どもたちは本当に人懐っこいです。 東京では考えられません。


この日の夜は大雨の予報だったのでホテルに宿泊しました。 予報によると夜中だけ降って朝方にはあがるらしいです。

本日の走行距離:321km