2019/01/30

島根県松江市の近代建築 〜 その2

松江市の近代建築の続きです。

田野産婦人科医院(明治4年)
一見和風に見えますが、窓のデザインが変わっています。側面の窓をよく見ると雨戸的なものがあるように見えます。

浅野小児科医院(大正元年) ※国登録有形文化財
こちらも病院の建物です。 近年塗り替えられたのか、鮮やかなピンクが街中でも目を引きます。事前にネットで見た写真ではもう少し淡い色で、バルコニーの手摺もペンキで塗られていました。


興雲閣(明治36年)
当初は明治天皇の巡幸の行在所に使用する目的で建てられましたが、日露戦争によりそれは実現しませんでした。 しかし、明治40年に当時皇太子だった大正天皇の山陰行啓の宿泊所として、その役割を果たしました。

島根大学旧奥谷宿舎(大正13年) ※国登録有形文化財
旧制松江高等学校の外国人教師の官舎として建てられました。当初は並んでもう1棟建っていたのですが、焼失してしまったそうです。

愛隣会館(昭和6年) ※国登録有形文化財
松江育児院の講堂・礼拝堂として建てられたものです。 建物の上側はモルタルで当時のままだと思います。 新し目の外壁材で覆われている下半分が、元はどんな風だったのか気になります。

 戦前の建築ではありませんが市内のモダニズム建築もいくつか見てきました。

鳥取県立図書館(昭和43年) 設計:菊竹清訓

島根県立武道館(昭和45年) 設計:菊竹清訓

島根県庁舎(昭和34年) 設計:安田臣

島根県民会館(昭和43年) 設計:安田臣


レンタサイクルで見て周ったのはここまでで、この後は電車で米子市に移動しました。
次は米子市の近代建築を紹介したいと思います。




2019/01/27

島根県松江市の近代建築 〜 その1

冬休みに山陰地方を旅してきました。 新山口まで新幹線で移動したあと、津和野からスタートして鳥取市までレンタカーで移動しました。 レンタカーは同一県内であれば乗り捨て料金がかからないので、県境にある島根県の松江市と鳥取県の米子市だけはレンタサイクルと電車移動でした。

今回はそのレンタサイクルをフルに活用して撮ってきた松江市の近代建築を紹介したいと思います。

旧米江旅館本館北棟・南棟(昭和2年) ※国登録有形文化財
伊勢宮町の繁華街の中に残っている旅館建築です。現在は「松江 巴庵」という和食のお店が入っています。 オリジナルなのかは判りませんが、南棟の出入り口にあったステンドグラスの照明が素敵でした。 周囲の景観は残念ですが…。

出雲ビル(大正15年)
松江で最初に建てられた鉄筋コンクリート造のビルだそうです。 ビル上部の銘板の読みは何故か「いづビル」になっています。

 ・大橋(昭和12年)
擬宝珠や灯籠など和風のデザインが施された橋で「日本百名橋」にも選ばれています。

 ・旧紳士服トラヤ(昭和7年)
大橋からほど近い場所にあるこの建物は元は山陰道産業株式会社の社屋として建てられたものです。 全体的にアール・デコ風ですが、やはり目を引くのがコーナー部分の装飾窓とレリーフでしょう。 ぜんぶで8枚あるレリーフは何かストーリーがあるのかなと考えてみましたが、全く解りませんでした(笑)。
 近くにも古そうな建物があったのですが、改装中?でした。

 ・影山呉服店(明治35年)
旧第三銀行松江支店。 鬼瓦には第三銀行の「三」の文字が刻まれています。

ごうぎんカラコロ美術館(大正15年) ※国登録有形文化財
旧山陰合同銀行北支店。 2009年までは銀行として使用されていましたが、現在は山陰合同銀行が美術館として無料で開放しています。 ただこの日は年末年始で休業でした。

 ・カラコロ工房(昭和13年) ※国登録有形文化財
旧日本銀行松江支店。 このあたりは金融街だったらしく先ほどの2棟とはすぐ近くです。


旅に出る前に見た週間予報では松江市の天気は雪マークばかりだったのですが、久しぶりに「晴れ男」としての能力を発揮してしまいました。

続く。