2019/02/24

鳥取県米子市の近代建築 〜 その2

続きです。
前回の第一モデル理容館のある通りを駅の反対方向に進んで行きます。

坂口合名ビル(昭和6年)
この通りでも一際目立つ洋風建築です。 現在でも林業・不動産業・ボウリング場の経営などを行っている坂口合名会社の事務所として使用されています。

坂口家住宅主屋(明治25年) ※国登録有形文化財
坂口家は明治27年に坂口合名会社の前身である坂口商店を創業しています。 その頃の主な業務は醤油の製造販売だったそうです。 残念ながら非公開ですが、この広い敷地内には離れや土蔵もあり、登録有形文化財に指定されています。


岡本一銭屋(明治元年)
・通りの突き当りにあるこの建物は現役の駄菓子屋さんです。 お正月休みで閉まっているのが残念です。

 ・中村硝子建材店(大正14年頃)
建物の全面に増築されていて素通りしてしまいそうですが、上を見上げればそこには立派な装飾が施されています。

旧角盤町郵便局(昭和10年)
きれいなパステルカラーに塗られていますが、2013年に解体寸前のところをNPO法人が建物を譲り受け、2015年に補修作業を行ったそうです。 こうした小さな建物でもやはり地元の人達にとっては大切な風景であり財産なのでしょう。

米子市公会堂(昭和33年)
戦後の建築です。 設計は村野藤吾でグランドピアノをモチーフとした外観になっています。
 広場にあった可愛いベンチ。 これもおそらく村野さんのデザインではないでしょうか。

旧山陰電気米子変電所(大正7年)
明治40年に設立された山陰電気の変電所です。 山陰電気の創業者は先ほどの坂口家の坂口平兵衛です(手広い!)  この建物は現在は住居として使われているそうです。 発電所や変電所というと中はガランとした印象なのですが、どういう間取りになっているのか気になります。

変電所に行く途中で見つけたレトロな地下道。 自転車用のスロープの手作り感がすごいです(笑)。 ネットで調べても詳しいことは判らなかったのですが、昭和30〜40年代くらいな気がします。 あと、地下道の天井がめちゃくちゃ低かったです。


自転車で見て周ったのはここまでで、米子で一泊した後にレンタカーで見てきた物件も少し。

旧米子市水源地ポンプ室(大正15年) ※国登録有形文化財
木が育ちすぎていて建物の全貌は写真に収めることは出来ませんでした。

 ・旧日野橋(昭和4年) ※国登録有形文化財
6連の鋼ワーレントラス橋。 旧国道9号線の橋として架けられ、昭和43年に新日野橋が出来てからは人道橋として使われています。


以上で米子市編は終わりです。 この後、旅は東へと向かい、鳥取市でレンタカーを返却した後に、特急で姫路市に行き、姫路駅から新幹線で帰ってきました。
長旅で色んな所に行ってきたので色々と紹介はしたいなと思ってはいるのですが…。


気が向いたらまた更新します!








2019/02/11

鳥取県米子市の近代建築 〜 その1

昼まで松江市の散策を切り上げて、電車で米子市までやってきました。 松江〜米子間は30分程度です。
米子でもレンタサイクルを利用しました。 最近はレンタサイクルを利用できる地域が増えて、本当に便利になりました。
一昔前はレンタサイクルはもっと少なかったように思います。 あっても年末年始は利用できなかったり。 おかげで岡山市内を歩き回ってひどい靴ずれになった事もありました。

米子専門大店ビル(大正14年頃) ※国登録有形文化財
このビルは米子銀行が借りていた事もあって、米子銀行の記章が一番上に残っています。
ビルの横にはレトロな床屋さんがありました。

旧日ノ丸自動車法勝寺鉄道車両(明治20年)
建築ではありませんが国内最古の木造客車が街中に展示されています。かつて日ノ丸自動車法勝寺鉄道で使われていたイギリス・バーミンガム工場製の車両です。

石賀本店土蔵(明治24年) ※国登録有形文化財
中は塗物蔵、米蔵、唐津蔵、倉庫の4室に分かれて、現在はそれぞれにショップが入っているそうです。

山陰歴史館(昭和5年)
旧米子市庁舎。 設計は大隈講堂や日比谷公会堂で知られる佐藤功一。 佐藤功一は他にも群馬県庁舎や栃木県庁舎、滋賀県庁舎なども手がけています。

金光教米子教会(昭和7年)
もう少し色々な角度から撮りたかったのですが、強力な逆光のためにこれが精一杯でした。

旧第一モデル理容館(昭和初期)
理髪店の看板建築。 「理髪」の間にあるシンボルマークはどういう意味があるのでしょうか。 「OMG」? 「OMC」? 「DMG」?


米子市はそれほど近代建築が多いわけではないのですが、ここで一度区切りをつけます。 「その2」では近代建築に加えて土木遺産や戦後のモダン建築も紹介したいと思います。

続く