2019/09/29

2019 北海道ツーリング 〜 その8

・8月17日  旭川市〜苫小牧市


夜中はかなり雨が振ったようですが朝方にはほぼ止んでいました。南の方から天気は回復してくるという予報なので、このまま南下すれば雨雲に当たる心配はなさそうです。

最初に滝川市にやって来ました。 ここは去年通りかかったのですが、土砂降りの雨でスルーしてしまいました。
北洋銀行滝川支店(旧北海道拓殖銀行滝川支店)」 このタイプの銀行建築は全国各地で見られますが、北海道では珍しいかも。
 その向かいに建つ「なかがわ金物店(旧丸井今井呉服滝川支店)」。

一気に南下して美唄市の「旧沼東小学校」に来ました。 ここは去年膝まで水没した挙げ句にカメラのレンズが曇ってまともに写真が撮れなかったという悔しい思い出がありますす。
今回は建物の周りは水没していなかったので楽々中に入ることができました。 リベンジ完了です!
 来た道を戻りながら美唄市を探索していきます。他にも年季の入った住宅などあったのですが、人の住んでいる気配があったので深入りはしませんでした。
旧沼東中学校体育館・商店跡
旧我路郵便局・郵便局裏手の建物
旧栄小学校・廃商店群
旧東明駅・旧落合会館

三笠市にある「旧住友奔別炭鉱立坑」。 ここのちょっと先にある「旧幾春別炭鉱錦立坑櫓」には去年行っているのに何故かここには来ていませんでした。

同じく三笠市にある「一の沢水源地取水塔」は明治41年竣工の北海道で2番めに出来た水道施設です。

「旧栗沢信用購買販売組合事務所」という建物を見に岩見沢市の栗沢に来たのですが、それらしい建物が見つかりません。 どうやら取り壊されてしまったようで、煉瓦の倉庫だけが残っていました。 このあたりでようやく青空が見えてきました。
そのときに見つけたのが「栗沢本町簡易郵便局」として使われている煉瓦倉庫。 その裏手には同じく煉瓦造りの古そうな住宅が連なっていました。

「ながぬまコミュニティ公園」に移設保存されている「旧舞鶴橋」。  昭和11年に千歳川に架けられましたが、橋の架替に伴ってこの地に保存されることになりました。 道内唯一の鋼ランガー橋として土木学会選奨土木遺産に認定されています。

 国道337号沿いにぽつんと残っている南幌町の「旧幌向駅逓所」。 昭和3年竣工で国登録有形文化財に指定されています。 残念ながら内部の公開はしていないようでした。

この後は支笏湖方面に行こうかと思っていたのですが、時間的に厳しそうで断念しました。 フェリーにギリギリで飛び込むのは避けたいので。

というわけで北海道の旅最後の目的地に選んだのはむかわ町の「日高本線 鵡川橋梁」です。 いい撮影ポイントが見つけられず、これが精一杯でした。

余裕をもって苫小牧のフェリーターミナルに到着。 去年は写真に写っている仙台行きの「太平洋フェリ」ーでしたが、今年は大洗行きの「商船三井フェリー」に乗り込みます。
 部屋はこんな感じの雑魚寝をカーテンで仕切ったもの。 キャンセル待ちで取れたのがこれだけだったので贅沢は言えません。 コンセントが使えるのはありがたかった。

さようなら、北海道。 去年と同様センチメンタルな気分になります。


本日の走行距離:278km


次回「総集編」に続く。



2019/09/22

2019 北海道ツーリング 〜 その7

・8月16日  旭川市


旭川市に着いて最初に訪れたのは、去年傘をさしながら写真を撮った「旭橋」。 去年は旭川市は本格的な雨で早々に撤退した為、今年はじっくりと見ていきます(笑)。

9条通りの「旧宮北秀吉邸」は木材業を営んでいた宮北秀吉の事務所として大正4年頃に建てられました。 現在は空き家のようでしたが、取り壊されない事を祈ります。
 近くで見つけた古そうな住宅。

昭和12年竣工の「旧松岡木材事務所」。 スクラッチタイルの外壁が 良い感じのビルですが、こちらも空き家のようでした。


そのお隣には大正14年竣工の「松岡家住宅」。 和館から伸びる煙突がかっこいいです。国登録有形文化財。
 実は「旧松岡木材事務所」に行った時にはこの建物の存在に気づかず、 素通りしていました。 日が暮れかかってホテルに向かう途中で偶然前を通りかかって、慌てて写真を撮ったのがこれです。 写真は露出を上げていますが、実際はかなり暗いです。

次にDOCOMOMOJapanの「日本におけるモダン・ムーブメントの建築100選」に選定されている「旭川市庁舎」。 戦後に数多くの公共建築物を手掛けた佐藤武夫の設計によって昭和33年に建てられました。

もう一つ戦後の建築で「北海道立旭川美術館」。 かなり新しく昭和56年の竣工となっています。 設計は田上義也。 こちらはしっかり下調べ済みです。

市役所の近くで「八條市場」という古そうな建物を見つけたので中に入ってみると、そこには時が止まったような空間が広がっていました。 廃墟のように見えますが、中ではお豆腐屋さんが操業していました。

2条通の角地に建つ「丸京橋本クリーニング」。 店舗・住居・倉庫が並んで建っています。

2条通の道北バスの乗務員休憩所として利用されていた建物。 こちらの建物も下調べした中には入っておらず、詳細不明です。

去年も訪れた「中原悌二郎記念旭川市彫刻美術館(旧旭川偕行社)」 。 明治35年竣工の本格的な木造洋風建築で国の重要文化財に指定されています。
 同じ敷地内の「六角堂」。 市内にあった「竹村病院」の玄関部分を移築保存しています。

こちらも旧陸軍の施設で「あさでん春光整備工場(旧陸軍第七師団騎兵第七連隊覆馬場)」です。 これは積雪時に中で軍馬の訓練ができるようにと造られたものです。 国登録有形文化財と経済産業省の近代化産業遺産に認定されています。

土木学会選奨土木遺産に認定されている「春光台配水池 第一、第二接合井」。 ここの一番の特徴は煉瓦造りの被覆式の緩速ろ過池なのですが、外からはその構造は確認できません。

高砂酒造」は明治41年頃に建てられた和風建築の事務所棟と、その向かいの昭和4年竣工の作業所棟が通りを挟んで建っています。

最後に「旧北海道官設鉄道工場」を見に行きました。 上が旋盤工場、下が鍛冶工場で2棟とも明治31年に建てられました。 設計は琵琶湖疏水などで知られる田辺朔郎です。

ここで写真を撮っている時にまた小学生の男の子に話しかけられました。
男の子「何を撮っているんですかー?」
自分「えーっと(困惑)、これ(建物を指差す)」
男の子「えー? これー!? 」
不思議そうな顔をして笑いながら走り去っていきました。
こっちの子どもたちは本当に人懐っこいです。 東京では考えられません。


この日の夜は大雨の予報だったのでホテルに宿泊しました。 予報によると夜中だけ降って朝方にはあがるらしいです。

本日の走行距離:321km





2019/09/16

2019 北海道ツーリング 〜 その6

・8月16日  美幌町〜北見市〜遠軽町


夜中は強風が吹き荒れてテントが壊れないか心配でした。 それに加えて隣のファミキャンのテントが崩壊しそうになったらしく、夜中の3時にカンカンとペグ打ちを始めて参りました。
寝不足気味ですが、今日は今回の旅で一番近代建築を見て周る予定なので、気合を入れて出発します。

美幌町から北見市まではおよそ30kmくらいなのですが、北見市の「北見ハッカ記念館」が9時にならないと開館しないので寄り道をします。
美幌町から南に50kmくらいにある陸別町の「旧陸別駅転車台」に来ました。 この転車台は明治42年に製造されたもので、「旧網走線開業時の鉄道施設群」として土木学会選奨土木遺産に認定されています。

再び50kmほど北上して北見市に来ました。 最初に「北見ハッカ記念館」を見学します。 この建物は「ホクレン北見薄荷工場」の研究室として昭和9年に建てられました。 全盛期の北見のハッカは世界市場の70%を占めていたそうで、その繁栄ぶりがうかがえます。

同じく北見の市街地にある「ピアソン記念館」です。 大正3年にピアソン宣教師の住宅としてW.M.ヴォーリズの設計で建てられました。 中にはピアソン夫妻やヴォーリズに関連した資料が展示してあります。

お次は北見の市街地から少し離れた「仁頃はっか公園」に保存されている「ハッカ御殿(旧五十嵐家住宅)」。 ハッカの仲買で財を成した五十嵐弥一の住宅です。 

北見市から遠軽町に移動してきました。 
国道242号線を走っていると目にとまるのが「日本キリスト教会遠軽教会」です。 昭和6年竣工の建物ですが、近年改修されたのでしょうか、非常に綺麗な外観です。

そのすぐ近くには煉瓦造りの「青山商店」。

平和山の麓にある田上義也設計の「北海道家庭学校本館」。 昭和34年に建てられました。 「家庭学校」の響きから、女子が裁縫や料理を学ぶような所だと勝手に思い込んでいましたが、男子のみの児童自立支援施設でした。
中を見学できないかとお願いしてみたのですが、案内する人間がいないのでと断られてしまいました。 アポ無しなので仕方ありません。※HPに見学の際は事前に連絡して下さいと記載されていました。 ごめんなさい。
 
本館から更に奥へ進むと大正8年竣工の「北海道家庭学校礼拝堂」があります。 森の中に佇む姿はどことなく軽井沢を連想させます。 国登録有形文化財に指定されています。

敷地内で見つけた古そうな建物。 とりあえず写真を撮っておいたのですが、HPによると昭和9年竣工の「古稀記念文庫(図書館)」だそうです。

もう一つ田上義也設計で昭和38年竣工の「博物館(旧桂林寮)」というのがあったのですが、あまり古そうに見えなかったので写真を撮り忘れてしまいました。 もともと計画では遠軽町まで来る予定はなかったので、下調べ不足でした。


ここから旭川市まで大移動するわけですが、途中で遠軽町の丸瀬布(まるせっぷ)地区に寄り道です。
昭和17年竣工の「丸瀬布木工体験交流館(旧丸瀬布営林署事務所)」。
駅の近くで見つけた古そうな建物。会社の事務所か何かでしょうか?


旭川には夕方までに着いてちょっとだけ散策できればいいかなと思っていましたが、この時点でまだ13時。 意外と旭川市内も色々と見て回れるかもしれません。

というわけで次回、旭川編に続きます。