2012/10/31

百々貯木場跡 ~ 愛知県豊田市

百々貯木場は大正7年に地元の材木商だった今井善六によって造られました。上流から丸太で流されてきた木材をここに集積して、筏に組み直して下流に輸送していました。

・豊田市指定文化財
・土木学会選奨土木遺産

貯木池を上からみたところ。
面積5000平方メートルの巨大な人工プールです。
木材を種類別に保管できるように、6本の仕分け用突堤があります。

樋門の向こう側には矢作川が流れています。
樋門の手前は製材所に木材をあげるためのスロープです。

この樋門から木材を搬入していました。
樋門を含め施設の主要な部分は、『たたき』と呼ばれる人造石工法によって造られています。

現地の案内板。

このスロープを登ったところに製材所がありました。

製材所跡。こちらにも人造石が使われています。

昭和4年、矢作川上流に越戸ダムができるとともに、百々貯木場の役目も終わり、長い間土砂に埋もれていました。

その後1988年から1993年にかけて豊田市教育委員会によって発掘、補修され公園として整備されました。



2012/10/28

旧水海道小学校本館 ~ 茨城県水戸市

この建物は明治14年に水海道村に小学校として建てられました。
木造2階建てで、下見板張や上げ下げ窓、柱付きの玄関部分など洋風建築の要素を取り入れた『擬洋風建築』になっています。

当時の水海道の宮大工棟梁であった羽田甚蔵が、横浜まで見学に行って設計・建築にあたったそうです。

現在は当時の場所から水戸市内の県立歴史館の敷地内に移築保存されています。










2012/10/22

旧常磐線 金山トンネル (その2) ~ 福島県双葉郡楢葉町

到着しました。トンネルも草木に侵食されつつあります。
金山トンネルを含む旧常磐線のトンネル群は、日本初の私鉄である「日本鉄道」によって造られ、その後国有化されました。

日本鉄道の社紋です。蒸気機関車の動輪をモチーフにしています。

写真ではわかりづらいですが、中央部が高くなったデザインになっています。
鉄道トンネルでここまで凝った意匠を持つものは珍しいと思います。

トンネル内です。
入口付近は苔で覆われていました。黒くなっているのは蒸気機関車のススでしょうか。

枕木が残っていました。

トンネル内から来た方向を振り返ります。
ここをまた戻らなければいけません・・・。

少し時期が早かったかなと思いましたが、トンネルが無事に残っているのを確認できて安心しました。

今回は周れませんでしたが、常磐線沿線には他にも数多くの煉瓦トンネルが残っているので、日を改めて訪れようと思います。


2012/10/21

旧常磐線 金山トンネル (その1) ~ 福島県双葉郡楢葉町

金山トンネルには以前訪れたことがあるのですが、その時は時間がなかったのと準備不足でたどり着けませんでした。
そこで今回リベンジに向かいました。

現在、常磐線の金山トンネルのある区間は東日本大震災により営業を休止しています。
そこで、現行の金山トンネルまで線路上を歩いて行く事にしました。

線路上は既に草で覆われていて、線路が見えないほどでした。

600メートルほど歩いて、ようやく現金山トンネルが見えてきました。

事前に調べた情報だと、現金山トンネルの左奥に旧金山トンネルがあるらしいのですが、道がありません・・・。

ここで引き返すわけにもいかないので突入しました。
目指すトンネルはこの先です。

無我夢中でヤブをかき分けて行くと、ついに見えてきました。
(この写真はカメラを取り出せない状態だったのでスマホで撮りました。)

  その2に続く




2012/10/15

猿島砲台 ~ 神奈川県横須賀市


日曜日に猿島に行ってきました。
猿島~観音崎と回る予定だったのですが、猿島から戻る直前に雨が降ってきたので、観音崎はあきらめて帰って来ました。

猿島砲台は戦前の東京湾要塞の一つで明治17年に造られました。
島には深い切通の道があり、その壁に弾薬庫や兵舎が配置されています。






これらの建造物には愛知県東洋組製造の煉瓦が使われていて、全国的に数少ないフランス積みで積まれています。






中央のトンネル内には司令室・弾薬庫・兵舎が2階建て構造で掘り込まれています。









明治政府が東京湾防衛のために建造した猿島砲台も実戦で使われることはありませんでした。






2012/10/10

旧岩崎邸 ~ 東京都台東区

先日の体育の日には茨城の方に行こうと思っていたのですが、準備を整えて出かけようと思ったら、バイクのバッテリーがあがってエンジンがかからない。
仕方がないので、予定を変更して電車+レンタサイクルで旧岩崎邸庭園に行ってきました。

岩崎邸の洋館は、ジョサイア・コンドルの設計により、明治29年に完成しました。木造2階建て、地下室付きで、別棟の撞球室(ビリヤード場)とは地下道でつながっています。

※国重要文化財































2012/10/01

城嶺橋 ~ 愛知県春日井市・瀬戸市

城嶺橋(しろがねばし)
昭和12年
RC開腹アーチ

JRの定光寺駅から定光寺への参拝路に城嶺橋は架かっています。
このあたりは「名古屋の奥座敷」と言われた景勝地だったのですが、
現在は寂れた雰囲気が漂っていました。
橋の名前の由来は、裏の山から名古屋城がよく見えたからだそうです。

鉄筋コンクリート造の3連アーチで、和風の親柱・高欄になっています