2015/09/28

大丸心斎橋店 本館(その2)〜 大阪府大阪市中央区

今まで雰囲気に飲まれて内観の写真を撮れずにいたわけですが、今回は作戦を練りました!
まず、時間帯は人の少ない開店直後か閉店間際。 そして大げさな一眼レフではなく、コンデジをポケットに忍ばせて行くことにしました。

この日は朝の5時に家を出て、甲子園会館〜ヨドコウ迎賓館〜尼崎市内の散策と動き続けてかなり疲れていたのですが、夜の8時に心斎橋へやって来ました。

が、無茶苦茶人が多い! 店の中も通りも人でごった返しています。 ちょっと店内は写真を取れる雰囲気ではなかったので、またもや外観の写真だけ撮ってきました(これだけでも人目が気になった) 。

この日はそうこうしているうちにシャッターが下りてしまい、ここまで。

翌朝の開店直後に再び訪れました。今度は人もまばらです。
 
 化粧品売り場のお姉さんの不審者を見るような視線にも耐えて写真を撮ってきました!

時間をかけずにささっと撮っていきます。 1階化粧品売り場です。 天井や柱、梁などこれでもかとアールデコ風の装飾で埋めつくされています。

持送りには鷲の彫刻。

緊張しながらも構図にこだわって撮った1枚(笑)

1階のエレベーターホール。 エレベーターのお姉さんの冷たい視線も気にせず写真を撮り続けます。


エスカレーター横の照明。

なんだか華やか過ぎて頭がクラクラしてきました。 ここが紳士服売り場なら写真も撮りやすいのに…。

続く。

2015/09/27

大丸心斎橋店 本館(その1)〜 大阪府大阪市中央区

大丸心斎橋店本館がいよいよ今年の12月30日で営業を終了し、建て替え工事が始まってしまいます。
当初のニュースでは御堂筋側の外壁を残したまま建て替えるという話でしたが、どうやら1階の内装も保存されるようです。 ただ、内装についてはどの程度残してくれるのか…。

今回は外観の写真はあまり撮っていないので2014年の元日に撮った写真を載せておきます

昭和8年竣工のウイリアム・メレル・ヴォーリズの設計によるネオゴシック様式の建築です。 計画ではこの外壁の上にセットバックして高層階を建てるそうです。
 南面の外壁。
 北面の外壁。

 これらの外壁を保存してくれるのはありがたいのですが、やはり上にビルが建ってしまうのは残念です。

ちなみに今回外観の写真が少ないのはものすごく人が多かったのと、足場が組んであったからです。(斜め向かいのホテルから撮影)

 続く。


2015/09/24

二代目草津川隧道 〜 滋賀県草津市

シルバーウィークは関西方面に旅行に行ってきました。

なぜ関西を選んだかというと、大阪の大丸心斎橋店が解体、滋賀県の二代目草津川隧道が撤去されるという、2つの悲しいニュースを耳にしたからです。

というわけで、これで見納めになる二代目草津川隧道を紹介したいと思います。 行くまでは工事がどの程度進んでいるのかもわからなく不安でしたが、なんとか間に合って良かったです。

草津駅から商店街を通って国道1号の方に歩いて行く途中に、昭和5年にヴォーリズの設計で建てられた日本基督教団 草津教会があるというので寄ってみました。
のっぺりした外壁にアルミサッシと残念な外観になっていますが、中は当時の状態を保っているそうです。

この後ろ側の壁の質感はヴォーリズっぽい。 でも屋根やサッシがやはり残念。

さらに歩いて国道1号に到着しました。二代目草津川隧道は天井川である草津川の下を抜けるトンネルだったのですが、2002年に草津川放水路が完成した後は廃川となっていたため、堤防ごと撤去しようという話になったのです。

二代目草津川隧道の竣工は昭和11年で、左の第二草津川隧道の竣工は昭和46年です。 今回の工事で両方共撤去するそうです。

反対側に来ました。40年続いたこの光景もしばらくすると目にすることが出来なくなってしまいます。
堤防の上はすでに樹木なども伐採されて、工事の準備は着々と進んでいるようです。

   隧道本体に着工するのも時間の問題かもしれません。 さようなら、草津川隧道…。

 最後に2011年に撮影した写真を。

コンクリート製の戦前では珍しいボックスカルバート型のトンネルでした。左右のピラスター(付け柱)や笠石や帯石を模した装飾も特徴的です。

立派な扁額も付いていました。 扁額だけでもどこかに保存してくれると良いのですが。







2015/09/16

真川ダム 〜 富山県富山市

富山県にある真川ダムは貴重なバットレスダムです。 ブログの2013年の丸沼堰堤で他のバットレスダムも見てみたいと書いたのですが、ようやく2つ目を見に行くことが出来ました。

事前に調べた情報では、立山山麓にある粟巣野スキー場のあたりから登山道を登っていくということでした。 熊も出るという情報だったので熊鈴も用意していきました。

スキー場の脇の細い道を進んでいくと、ネットで見た広場に出ました。 この水圧鉄管と橋が目印です。 上の真川ダムからこの水圧鉄管で真川発電所に水を送っています。

橋の方に進んで歩くこと20分。 はるか下には常願寺川が見えます。
どれくらい近づいたかなとGPSを確認してみると、全然違う方向に進んでいました…。 道を間違えた…。 また20分かけて戻ります。

余談ですが、この道を歩いている時に突然上の方でガサガサッと音がしたかと思うと、20m先くらいに直径50cmくらいの巨大な石が転がり落ちてきました。 熊にも注意が必要ですが、落石にも要注意です。
 
スタート地点に戻ってきました。 40分もロスしてしまいました。
こちらが正しいルートです。 皆さんお間違えなく。

草に埋もれていましたが、案内板もちゃんとありました。 よく確認しましょう。

気を取り直して登山道を登っていきます。ところどころ幅が狭かったり、ぬかるんでいたりするので、こちらも注意が必要です。

30分ほど登った所で開けた場所に出ました。下を眺めるとスキー場の小屋がだいぶ小さく見えます。

ここがスキー場のリフトの終点です。 これに乗って来ることが出来れば楽チンなのですが。

ここで再び水圧鉄管が見えてきました。 このあとは、ほぼ水圧鉄管に沿うようにして登っていきます。

 水圧鉄管の横に階段が付いているのですが、登山道で行った方が楽だと思います。

さらに登っていきます。 だんだん息が切れてきました。

 1時間ほどかけてようやく到着です。 しかし柵があって堰堤には近づけません。

ということでダムの写真はこれ1枚です。 この構図以外に撮る術はありませんでした。
昭和5年に竣工して以来、改修もなく当時のままの姿をとどめています。

立山駅の周辺は観光客で賑わっていたのですが、ここは全く人がいませんでした。 穴場(?)です。

2015/09/15

富山県射水市の近代建築

射水市の小杉地区は旧北陸道の宿場町だった所で、ここにも3件の近代建築が残っています。

竹内源蔵記念館(旧小杉町役場)  昭和9年  ※国登録有形文化財
着いた時にはまだ開館まで30分早くて、待っていようかどうしようか迷っていると、中から人が出てきて「ちょっと早いけれど、どうぞ」と中に入れてくれました。

この時点では竹内源蔵という名前にピンと来ていませんでした(木村産業で教えてもらったのですが、忘れてました)が、ガイドの方の「竹内源蔵さんは左官職人で…」という説明を聞いて、昨日の木村産業の事を思い出しました。
ここで、記念館ができるほどのすごい職人さんだったのかと知ったのです(笑)。

1階には竹内源蔵の最高傑作と言われる「双龍」が展示されています。 この作品はもともと旧家の蔵にあったのを移設したものです。 全長17m、幅1mの大作です。
 龍の表情や波しぶきなど躍動感が凄いです。木村産業で見た龍と同様に、目にはガラス玉が入っています。

「恵比寿・大黒」 小杉町にあった薬品会社の外壁の装飾でした。

竹内源蔵の手がけたなまこ壁。

2階にも数多くの作品が展示されています。 もう建築そのものより展示されている作品群に夢中になってしまいました。


「鳳凰」 この2階は小杉町役場の議場だった場所で、天皇・皇后の御真影があった奉掲所の上にこの装飾が施されています。

「唐獅子牡丹」 個人宅の洋間にあったものです。

「鶴・亀」 こちらも薬品会社にあったもので鶴が天井に、亀が長押に使われていました。

 「恵比寿・大黒」

 「大黒」

 最後にこの建物のペディメントの装飾も竹内源蔵の手によるものです。

 ・小杉展示館(旧小杉貯蓄銀行)  明治44年  ※国登録有形文化財
 黒漆喰の土蔵造りですが、中は洋風になっています。 銀行時代に使われていた金庫が今も残っています。

 ・旧小杉郵便局  大正13年

牧田組本社(旧南島商行本店)   大正4年  ※国登録有形文化財
この建物は上の3件とは離れていて、伏木港の近くにあります。 元は海運業の本社屋として建てられました。

富山県の近代建築シリーズはこれで終わりにします。