2016/11/27

日本郵船氷川丸(その3)〜 神奈川県横浜市


豪華な客室を後にして外部デッキからブリッジに上ります。

操舵室の入口には号鐘がありました。

様々な計器類が並ぶ操舵室。

頭上の棚には国際信号旗が収められていました。

ブリッジからみなとみらいの方を見たところ。 大桟橋には現代の豪華客船「飛鳥Ⅱ」が停泊しています。 こうしてみるとやっぱり大きい! キングの塔やクイーンの塔が小さく見えます。

ブリッジから前方を見ると、その先には赤い灯台が見えます。明治29年に造られた横浜北水堤灯台です。 かつては移設された白灯台と対になっていました。 観光船に乗ればもう少し近くで見れそうなのですが…。 今度チャレンジしてみたいと思います。

操舵室の下は船長室になっています。 流石というか、豪華な造りになっていて、専用の浴室も用意されています。

デッキまで下りてくると目の前には白灯台がありました。 こちらは近くでじっくり観察することが出来ます。

この日はオープンデッキを開放していたので、船首の方にも行ってみました。

 ここからは山下公園と昭和2年竣工のホテル・ニューグランドを見ることが出来ます。

再び船内に戻って階段を下りた先は機関室でした。吹き抜けになった機関室の両側にデンマークのB&W社製のディーゼルエンジンが搭載されています。

325kwの出力を持つディーゼル発電機3台を搭載。

その他にもなかなか見ることが出来ないレトロな機器類がたくさん並び、興味が尽きません。


見学順路の最後は3等客室です。二段寝台の8人部屋で、今までとはうって変わって質素な造りです。 このエリアは他の船客エリアとは区画され自由に行き来することは出来ず、三等船客が一等デッキに行くには見学申込みが必要だったそうです。

以上で氷川丸の見学は終わりです。 当時の船旅が想像出来てとても楽しかったです。 飛行機や鉄道も良いけれど、船の旅には何かロマンを感じてしまいます。


おしまい





2016/11/15

日本郵船氷川丸(その2)〜 神奈川県横浜市

Aデッキに上がってきました。

最初に入った部屋は「一等図書室」です。
この部屋で一等船客が読書をしたり手紙を書いたりしました。

その先にある部屋は「一等社交室」です。こちらの部屋は、ダンスパーティーの会場になるなど、主に女性の社交場として利用されたそうです。入口のドアから始まって壁、天井、照明といたる所に華麗なアール・デコの装飾が施されています。

廊下に出て進んでいくと、中央階段の所に再び戻ってきます。

中央階段の後ろにあったこのカウンターは「船内郵便局」です。 手紙を投函する郵便ポストも備え付けられています。

 廊下を更に進んでいくと突き当たりにあるのが、「一等喫煙室」です。 こちらは主に男性の社交場として利用されていました。大きな天窓のせいかとても明るい雰囲気です。部屋の片隅にはミニバーらしきカウンターもありました。
ここまで見てきたアール・デコ装飾の部屋達はいずれもマルク・シモンのデザインによるものです。

次に見学したのは一等客室です。見学しやすいようにガラスのドアにしてあります。
ベッドの上には飾り毛布が置かれ、乗客に喜ばれたそうです。

 そしてチャップリンや秩父宮夫妻も利用したという「一等特別室」。 寝室、浴室、居室の3部屋からなる豪華なスイートルームです。 この部屋の内装は川島織物の創業者である三代目川島甚兵衛が手がけたそうです。


次回は屋外デッキに出て、操舵室や船長室、そして機関室などを紹介したいと思います。

続く。














2016/11/10

日本郵船氷川丸(その1)〜 神奈川県横浜市

先日、神奈川県庁のライトアップを見に行った際に「日本郵船氷川丸」を見学してきました。

氷川丸は昭和5年に建造された大型の貨客船です。 昭和35年に現役を引退した後は山下公園に係留保存されてきました。

今までその存在は知っていたのですが、洋館めぐりなどに忙しくて中々行く機会がありませんでした。 ところが今年になって国の重要文化財に指定されたのを知り、これは一度見学しておかねばと思っていたのです。

 氷川丸の係留されている桟橋の先には明治29年に造られた白灯台があります。 実はこの灯台の写真を撮りに来たことはありました。 しかし、氷川丸の内装の素晴らしさを知らなかったので、中を見学することはありませんでした。 「灯台下暗し」とはまさにこの事。

受付を済ませてロビーを抜けると、最初は客室の並ぶ廊下を通って行きます。 なかなかレトロな雰囲気でいい感じです。 ここまではそれくらいの印象でした。

廊下の先には一等船客専用の「一等児童室」があります。 ここに子供を預けてディナーを楽しんだりしたようです。

ピンクのメルヘンな内装とレトロなイラスト。

かなり手の込んだ木馬もありました。

そしてBデッキの一番奥にあるのが「一等食堂」です。 ここの内装を見た瞬間に何かのスイッチが入ってしまい、この後は写真を撮りまくることになります(笑)

この素晴らしいアール・デコの内装はフランスのデザイナー、マルク・シモンの設計によるものです。 こんな豪華な造りになっているとは知りませんでした。 もっと早く来るべきでした。

 食堂を出て中央階段でBデッキからAデッキに向かいます。 その階段がこちら。 見どころが多すぎて中々先に進めません。

 手すりの中央にあるこの装飾は、氷川丸の名前の由来にもなった埼玉県の氷川神社の神紋である「八雲」がモチーフになっています。


次回はAデッキの部屋を見ていきます。

続く。