2015/08/24

黒部峡谷の近代化遺産 〜 富山県黒部市

朝の7時、黒部峡谷鉄道の始発に乗るためにやって来たのは宇奈月駅。
今回は席を予約していなかったのですが、当日券で乗ることが出来ました。

トロッコ列車には通常のオープン客車以外にも、窓付きで座席に背もたれの付いているリラックス客車などがあるのですが、写真を撮るのが目的なのでオープン客車を選びました。

トロッコ列車に揺られること25分、黒薙駅を出発してすぐに跡曳橋が見えてきます。大正14年に架けられたスパンドレル・ブレースト・アーチなのですが、列車からではうまく撮影できませんでした…。 これはやはり黒薙駅で下車して河原から撮影するのが正解なのかも。

トンネルを抜けると今度は左手に跡曳水路橋が見えてきます。 忙しい! 昭和2年製のこの水路橋は下流の柳河原発電所に送水するためのものです。

猫又駅が近づいてくると目に飛び込んでくるのが目黒橋と黒部川第二発電所です。 今回の北陸の旅はこの建物が見たくて計画を立てました。
手前の目黒橋は戦前では国内に2例しかない鋼フィーレンディール橋です(もう一つは東京都中央区の豊海橋)。
 そしていよいよ黒部川第二発電所とご対面。 以前、写真家の増田彰久さんの本でこの発電所の写真を見て、ずっと来たかった場所でした。 設計は山口文象で昭和11年の竣工です。
 当時最先端であった「インターナショナル・スタイル」です。 装飾を排した端正な外観ですが、とても洗練されていて力強い印象を受けました。 猫又駅では下車出来ないので、ゆっくり眺めることが出来ないのが残念です。

さらに上流に黒部川第二発電所の取水元である小屋平ダムがあります。こちらも山口文象が設計したのですが、油断していて撮影失敗しました。

そんなこんなで1時間20分かけて終点の欅平に到着です。 本当はここから仙人谷ダムに行きたいところなのですが、水平歩道を歩いて行くとなると山小屋に一泊しないと無理らしいので今回は断念します。 以前テレビでみた水平歩道は高所恐怖症にはきびしそうだったし…。
いずれにせよ仙人谷ダムは、小説「高熱隧道」を読んで以来行ってみたい場所なので、行くつもりです。 関電の見学ツアーに参加するのもいいかな。

とんぼ返りで宇奈月駅に戻ってきました。 駅の手前に架かっているのが、大正12年製の旧山彦橋(黒部橋)です。 もともとはあちらの上に軌道がありました。
 新旧の山彦橋。

最後に宇奈月駅よりおよそ6km下流にある昭和11年竣工の愛本発電所とその水路橋。

この後、午後から能登半島に行くかどうかずっと迷っていたのですが、天気予報が微妙(降水確率50%)だったのでとりあえず富山市内に向かいました。




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