2015/11/03

旧信越本線 碓氷峠鉄道施設・2005 夏 〜 群馬県碓氷郡松井田町

僕が近代建築に興味を持つようになったきっかけは、山形県米沢市でたまたま「旧米沢高等工業学校本館」を見たからなのですが、近代化遺産や土木遺産にハマるきっかけになったのは、この碓氷峠の鉄道施設かもしれません。

旧丸山変電所やめがね橋ももちろん素晴らしかったのですが、特に心を奪われたのが、まだ遊歩道として整備される前の第六トンネルから熊ノ平までの風景でした。
「日本にこんなところが残っているんだ!」と感動し、興奮したのを覚えています。

2005年6月に訪れた時の写真をメインに、比較画像として2008年以降の写真も紹介したいと思います。

旧丸山変電所は壊れた屋根の修復なども終わっている状態ですが、立入禁止になっています。 この頃まだトロッコ列車は運行していなかったので線路の上をてくてく歩いてきました。

碓氷第三橋梁の辺りも現在は大きな駐車場が出来ていますが、以前は立っている辺りに数台車を停めるスペースがあるだけでした。

2005年の時点では碓氷第六トンネルから先は通行止めになっています。 今回紅葉を撮ったのがちょうど柵のある辺りからです。

では、どうやってアクセスしたかというと、第四橋梁の脇の斜面をよじ登ったのです。 今は親切なことに階段が設けられているのでよじ登る必要はありません。
2013年4月

斜面を必死によじ登って目に飛び込んできたのがこの光景。 鳥肌が立ちました。出来ればこの雰囲気のまま残しておいてもらいたかったのだけれど、それはワガママというものでしょう。
奥に見えるのは第六トンネルの出口です。

2008年5月

 第七トンネル入口。 今は周りの木が伐採されていて日当たりが良くなっていますが、当時は鬱蒼としていて、「秘境」といった趣でした。
2013年4月

第七トンネルから第八トンネルを望みます。
2013年4月
 
第六橋梁の上。 ニホンカモシカを見たあの橋ですが、同じ場所とは思えません。

 第十トンネル出口。

平成9年に廃線になった信越本線の新線跡も残っています。 熊ノ平から先の第11トンネルから第16トンネルまでは、この新線がアプト式の旧線と同じルートをとっているため残っていません。 今にも電車が走ってきそうなほど、そっくりそのまま設備が残されています。  実を言うと左の煉瓦のトンネルから楽にアクセス出来たのですが、当時は知らなかったのでここに来て拍子抜けしたのを覚えています。


以上で2005年の探索は終わりです。 興奮した! 感動した! と楽しそうに書いていますが、この日人生で初めて山ヒルというものに咬まれてえらいめにあいました。 気づいた時には靴下が血で真っ赤に染まっていて、何事かと青ざめました。 以来、碓氷峠に行く時にはブーツを履いていきます。 みなさんも気を付けてください。

2 件のコメント:

  1. タイムスリップしたような感覚にさせられますね。
    物寂しい気持ちにもなりました。秘境ですね。

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    1. あの時から10年も経つのかと驚いています。 嬉しいのは、当時から比べると近代化遺産に対する世間の関心度が上がってきたことです。 アプトの道の延長も、そんな流れに沿っての事だと思いますので良しとします(^^)

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