2015/11/11

京都市伏見区・南区の近代化遺産

中書島駅の南口を出ると、すぐに伏見港公園が見えてきます。 その伏見港公園を奥の方に進んでいくと、濠川が宇治川と合流する地点に水門と閘門が設けられています。

三栖閘門  昭和4年  《土木学会選奨土木遺産》
大阪と伏見の舟運が盛んだった昭和初期には、年間2万隻もの船がここを通過したそうです。 現在はその役目を終えているのですが、観光用に十石舟が運行しています。
 塔の先端にはアールデコ風の装飾が施されています。 こちらの下流側の塔は巻上機が撤去されていて展望台になっているのですが、現在は登ることが出来ないようでした。

三栖洗堰  大正14年
閘門の隣にある水門です。 濠川には琵琶湖疏水の水が流れ込んでいて、ここが琵琶湖疏水の終着点と言っても良いでしょう。 この地点で同じく琵琶湖から流れてきた宇治川と合流するのです。

近鉄京都線 澱川橋梁  昭和3年 《国登録有形文化財》
とにかく巨大なプラットトラス橋です。 164.59mという単純トラスとしては現在でも日本一のスパンを誇ります。 なんでも陸軍の演習の邪魔になるからということで橋脚を使用出来なかったとか。
 こちらは連続トラスですが、比較用の画像を。 澱川橋梁がいかに巨大かわかるでしょうか。
JR東海道本線 天竜川橋梁

竹田の火の見やぐら  大正12年  《国登録有形文化財》
竹田村消防組第二支部の装備品として建設され、現在地に移転されました。 鉄骨造としては初期のもので登録有形文化財に指定されています。

鳥羽大橋  昭和7年
6連の鉄筋コンクリートアーチ橋で、立派な橋詰と親柱が備わっています。以前はなかった歩道橋が上流側に設けられていて、ちょっと写真が撮りづらくなっていました。

最後に、今回は訪れなかったのですが過去に訪れた南区(西京区)の土木遺産を紹介します。

JR東海道本線 桂川橋梁 (上り内外線) 明治44年
12連のポニーワーレントラス橋です。 この写真では草に覆われていて見えないですが、橋脚は明治9年製の煉瓦橋脚が使われています。 この時は橋脚の事が頭になく、ちゃんとした写真が撮れていないので、また撮りに行こうと思います。
2006年8月撮影

・JR東海道本線 桂川橋梁(下り内外線) 昭和3年
こちらも12連のワーレントラス橋です。 以前にテレビで桂瓜を高校生が育てていた背後にちらっとこの橋が映って、思わず「あっ!」と言ってしまいました(笑)。
2006年8月撮影

 おしまい。


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